虚偽・誇大広告に関連する事例
出典・現行資料の確認:2026年10月11日
2019〜2025年度報告書の疑義報告事例のうち,本サイトでこのテーマに分類した61項目をすべて詳細解説しています。2016〜2018年度の既掲載64件と合わせ,本ページの詳細解説は125項目です。
全テーマ・各年度の一覧:2019〜2025年度の疑義報告事例132項目。すべての項目から詳細解説と原報告書の該当ページへ進めます。
掲載報告書の年度で探す:2025年度(5項目) / 2024年度(6項目) / 2023年度(6項目) / 2022年度(8項目) / 2021年度(12項目) / 2020年度(10項目) / 2019年度(14項目) / 2016〜2018年度
事例を読む際の留意点
以下は,販売情報提供活動の適切性について疑義が報告され,報告書で取り上げられた事例です。各事例が裁判で違法と確定したことを意味するものではありません。事例中の効能・効果,用法・用量,添付文書の記載,処方日数制限等は当時の状況に関する記述であり,現在の製品情報として利用しないでください。現在の添付文書,RMP等はPMDAの医療用医薬品情報検索で確認できます。
現在の審査・研修で確認したい点
- 原著論文・審査報告書と照合し,主要評価項目,比較群,解析対象,患者背景,否定的な結果を省略していないか確認する。
- グラフの軸・凡例・縦横比や強調方法が,試験結果の意味を変えていないか確認する。非劣性が示されたことを,優越性が示されたかのように説明しない。
- 安全性情報を含む根拠をそろえ,作用機序,少数例,伝聞のみから有効性・安全性の優位を主張していないか確認する。
詳しい要件は,販売情報提供活動ガイドライン(2018年9月25日)及び厚生労働省の関連通知・Q&A一覧で確認してください。
初期の出典と最新報告へのリンク
- 広告活動監視モニター事業報告書:2016(平成28)年度/2017年3月報告
- 広告活動監視モニター事業報告書:2017(平成29)年度/2018年3月報告
- 広告活動監視モニター事業報告書:2018(平成30)年度/2019年3月報告
- 最新の公表報告書:2025(令和7)年度販売情報提供活動調査事業(2026年3月報告)
- 厚生労働省:広告規制・年度別調査報告書・関連通知一覧
調査事業の概要と最新年度の結果/販売情報提供活動ガイドラインの解説
2019〜2025年度の疑義報告事例(61項目)
対象は各年度報告書の「(1)疑義報告事例」です。本サイトのテーマ分類に該当する全項目を,医薬品の種類・情報提供活動や資材・内容・ポイント・出典の順で解説しています。年度は掲載報告書の年度であり,発生年度とは限りません。厚生労働省公表報告書を基に本サイトが要約・編集したもので,「筆者整理」は報告書の記載と区別した審査・研修上の確認観点です。同一年度の同一事例は1項目にまとめ,関連する番号を出典に残しています。
2025年度(令和7年度)掲載報告書
- 卸担当者が長期データなしにワクチンの生涯免疫を説明
医薬品の種類
ワクチン類問題のあった情報提供活動・資材
医薬品卸会社のMSによる医療機関訪問時の口頭説明内容
卸会社のMSが製品概要と見積書を持って医療機関を訪れ、ワクチンによって生涯免疫が得られ、一度だけでよいと説明した。報告当時、その主張を裏付ける長期追跡データは存在していなかった。この事例は製薬企業が営業を委託したものではなかったが、依頼のない見積書の持参が他の卸でも見られ、広くプロモーションが行われている可能性が指摘された。
ポイント
筆者整理:卸を含む販売経路で、効果の持続期間や接種について根拠を超える断定が伝わっていないか、共有資料と説明内容を確認する。不適切な説明を把握したときは、営業委託の有無だけで対応を区切らず、情報の訂正や適正使用情報の発信、関係者との連携手順を検討する。
出典
厚生労働省公表 2025年度報告書:事例①-1(本文31頁/PDF 35頁) / 事例②-2(本文34頁/PDF 38頁)
- 医療者の求めを装い制約のある腎機能データを説明
医薬品の種類
痛風治療剤問題のあった情報提供活動・資材
MR・学術担当者が同席したオンライン説明内容
新薬のオンライン説明が終わると、MRが別の自社製品の腎機能保護について病院側に質問し、その後、同席の学術担当者が試験データを説明した。紹介された研究には症例数、観察期間、多重解析などの限界があったが、これらを説明せず改善の可能性を伝えていた。資料のスライド番号は最初から連続し、MRもやり取りに参加していた。報告書は、医療者からの自発的な求めに応じた説明とは異なる一連の販促活動として疑義を示している。
ポイント
筆者整理:質問の発生経緯を記録し、企業が話題を誘導したケースを医療者の自発的な情報請求として扱っていないか確認する。MRと学術担当者の役割、同席状況、資料の連続性を合わせて点検し、名目上の場面転換だけで審査対象を判断しない。研究の設計、症例数、観察期間、多重解析の扱いを原著で確認し、好ましい結果と制約を同じ説明で伝える。
出典
厚生労働省公表 2025年度報告書:事例①-2(本文32頁/PDF 36頁) / 事例⑤-3(本文45頁/PDF 49頁)
- 医師の印象や欧州の掲載事情で安全性・優位性を示唆
医薬品の種類
その他の中枢神経系用薬問題のあった情報提供活動・資材
MRによる院内オンライン・Webグループ面談内容
オンライン製品説明でMRが同作用薬より副作用が少なく安全性が高いと述べたが、根拠を尋ねられると医師の印象だと回答した。同一事例として、欧州の診療ガイドラインに同作用薬の中で自社品だけが掲載されていることを紹介した説明も記録されている。質問後に、欧州では他の同作用薬が発売されていないためだと明らかになった。報告書は、根拠のない安全性の主張と、掲載背景を省いた優位性の印象に疑義を示している。
ポイント
筆者整理:製品間の安全性比較は、医師の印象と検証されたデータを区別し、比較条件がそろっているか確認する。診療ガイドラインの掲載を紹介するときは、その国の承認・発売状況、選択肢、掲載理由も確かめ、掲載だけを臨床的な優位の根拠にしていないか点検する。質問後に初めて明かす背景条件を、最初の説明に含める構成にする。
出典
厚生労働省公表 2025年度報告書:事例②-1(本文34頁/PDF 38頁) / 事例④-1(本文42頁/PDF 46頁)
- 専門家の感想を科学的根拠の代わりに説明
医薬品の種類
眼科用剤問題のあった情報提供活動・資材
院内の新薬説明会での企業担当者による口頭説明内容
院内の新薬説明会で、MRが少数例で統計的検討のない海外第II相試験のグラフを示し、他剤と異なる夜間の結果を紹介した。理由は明らかでないとしながら、試験に関わった著名な研究者の感想を用いて作用と有効性を説明した。医療者からの質問への回答ではなく、科学的根拠を示さない自発的な説明として取り上げられた。
ポイント
筆者整理:専門家の見解と検証済みの試験結果を区別し、試験の規模、評価項目、解析方法を原著で確認する。著名な研究者の発言を根拠の不足を補う説明にしていないか点検し、機序の仮説や探索的結果を確立した臨床効果として伝えない構成にする。
出典
厚生労働省公表 2025年度報告書:事例②-4(本文36頁/PDF 40頁)
- 診療ガイドラインと整合しない治療選択を講演で推奨
医薬品の種類
その他の呼吸器官用薬問題のあった情報提供活動・資材
企業主催の講演会内容
企業主催講演で、医師の演者が学会の診療ガイドラインに示された段階的な治療選択とは整合しない説明を行った。患者条件の説明が不十分なまま、重症患者向けの治療選択肢を未治療患者にも勧めると受け取れる内容だった。事前のスライド確認は行われていたが、内容は十分に修正されず、講演後の司会者による訂正もなかった。複数の医師による同様の講演が複数回確認されたと報告されている。
ポイント
筆者整理:引用した診療ガイドラインの対象患者、治療段階、推奨条件をスライドと照合する。演者が条件や留保を省いた口頭説明をしないか、資料審査に加えて当日の講演も確認する。問題を把握したときは司会者や運営担当者が訂正・事後連絡に移れるよう、役割と連絡手順を準備する。
出典
厚生労働省公表 2025年度報告書:事例②-5(本文37頁/PDF 41頁)
2024年度(令和6年度)掲載報告書
- 副次評価項目から生命予後の改善を示した唯一の薬と説明
医薬品の種類
糖尿病用剤問題のあった情報提供活動・資材
オンラインのグループ面談・製品パンフレット内容
MRは国際共同第Ⅲ相試験を説明する際、本剤を生命予後の改善を示した唯一の治療薬と紹介し、製品パンフレットにも同じ訴求が掲載されていた。その根拠となった全死亡までの期間は、副次的評価項目だった。報告書は、当該項目を試験で確認したという説明を超えて、生命予後の改善を示した唯一の薬と結論付けた表現に疑義を示している。
ポイント
筆者整理:評価項目の位置付け、検証計画、解析対象を確認し、結果の紹介と臨床的な結論の強さが釣り合っているか審査する。唯一と訴求する場合は、何を比較し、どの範囲で独自性を述べるのかを限定し、口頭説明と資材の両方を点検する。
出典
厚生労働省公表 2024年度報告書:事例①-1(本文31頁/PDF 35頁)
- 長期データの公表前に効果の拡大を予測
医薬品の種類
中枢神経系用薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による院内オンライングループ面談内容
MRが18か月時点の試験結果の図を示し、プラセボとの比較で疾患の進行を遅らせると説明した。さらに、投与を続ければ差が広がるとの予想を述べたが、長期試験の中間解析等は当時公表されていなかった。報告書は、長期効果の根拠を示さない予測に疑義を示している。
ポイント
筆者整理:確認された観察期間と、それ以後の効果の予測を区別して資材・口頭説明を審査する。長期効果に触れる場合は、解析時点、追跡期間、公開済みの根拠と不確実性を明示できるか確認し、既存グラフを将来まで延長した印象を与えない説明にする。
出典
厚生労働省公表 2024年度報告書:事例②-1(本文32頁/PDF 36頁)
- 副作用全体と一部の発現率を混同して比較
医薬品の種類
末梢神経系用薬問題のあった情報提供活動・資材
新薬説明会でのMRによる対面プレゼンテーション内容
MRが睡眠に関する副作用を説明する際、他社品の副作用全体の発現率と、自社品の傾眠だけの発現率を比較した。医療者がインタビューフォームで確認すると、比較した数字の対象が一致していなかった。報告書は、同じ傾眠を比較した場合には他社品の数値の方が低かったことも挙げ、自社品の副作用が少ないとの誤認を招く説明として取り上げている。
ポイント
筆者整理:副作用比較の表やトークについて、事象の定義、集計範囲、対象集団、観察期間がそろっているか確認する。全副作用と個別事象の数字を混在させず、数字の出典と比較の限界を説明に含める。審査時には、見出しや口頭説明が聞き手に与える印象も確認する。
出典
厚生労働省公表 2024年度報告書:事例④-1(本文35頁/PDF 39頁) / 事例⑥-3(本文41頁/PDF 45頁)
- 検定していない副次評価項目で優越性を主張
医薬品の種類
末梢神経系用薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による対面の説明会内容
非劣性試験の副次評価項目について、MRが他剤より長時間効果が続くとの説明を行った。質問に対しては有意差検定をしていないことを認めながら、優位な差があるとの説明を繰り返した。報告書は、検定されていない結果を優越性の根拠として扱い、統計解析の意味を理解していないことが疑われる説明として取り上げている。
ポイント
筆者整理:非劣性、優越性、探索的な結果を区別し、どの評価項目について何が検証されたかを原資料と照合する。副次評価項目の解析計画や多重性の扱いも確認し、数値の差を統計的・臨床的な優位と読み替えない説明にする。質疑で使う表現も研修対象に含める。
出典
厚生労働省公表 2024年度報告書:事例④-2(本文36頁/PDF 40頁)
- 因果関係未確認の口コミで競合品への不安を煽る
医薬品の種類
他に分類されない代謝性医薬品問題のあった情報提供活動・資材
MRによる対面説明内容
MRが、県内で他社品の使用患者に手術を要する有害事象が生じたという口コミを伝え、自社品への採用変更を求めた。報告書では、他社品との因果関係は確認されていない事象だったとされている。不安を強める表現と未確認情報を使った切替勧奨が、同一事例として複数の類型に掲載されている。
ポイント
筆者整理:他社品の有害事象を扱う前に、情報源、事実確認の範囲、因果関係評価と不確実性を区別する。未確認の口コミを自社品への切替理由にしていないか、比較説明の目的と言葉遣いを点検する。安全性上の情報は適切な社内窓口に連携し、販促上の主張と混同しない手順を設ける。
出典
厚生労働省公表 2024年度報告書:事例⑥-1(本文39頁/PDF 43頁) / 事例⑦-1(本文42頁/PDF 46頁)
- 他社品の不利な点だけを使って製剤を比較
医薬品の種類
混合生物学的製剤(ワクチン)問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による院内オンライングループ面談内容
医療者の求めがない中で、MRが他社品は用時調製が必要だが自社品は不要であると、製剤上の利便性を比較した。自社品の有効期限が他社品より短いなど、自社品に不利な特性は説明していなかった。報告書は、他社品に不利な情報だけを抜粋した比較に疑義を示している。
ポイント
筆者整理:比較資材は利点・制約を同じ基準で並べ、保管、調製、有効期限など使用現場で意味を持つ条件が片側だけ省かれていないか確認する。情報請求の内容と比較説明の範囲を記録し、聞き手が全体像を判断できる情報になっているか審査する。
出典
厚生労働省公表 2024年度報告書:事例⑥-2(本文40頁/PDF 44頁)
2023年度(令和5年度)掲載報告書
- 別疾患の海外調査から有利な項目だけを転用
医薬品の種類
高脂血症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
オンラインでの企業担当者による説明・アンケート調査のグラフ内容
投与頻度や投与者の好みに関する調査から、本剤の特徴に有利と思われる2項目を取り出して説明したが、元のグラフは5項目から成っていた。対象は海外の重度喘息患者等で、本剤の対象疾患・患者とは異なり、医療保障制度の違いも選好に影響する調査だった。別疾患の結果を本剤の優位性として転用した同一事例が①-1・②-1・⑤-1に掲載されている。
ポイント
筆者整理:引用図の抜粋が結論や全体像を変えないか確認し、削除項目も含めて元資料と照合する。患者の好みに関する調査を転用する際は、疾患、国、制度、投与条件の違いから、説明対象の患者に適用できるかを審査する。
出典
厚生労働省公表 2023年度報告書:事例①-1(本文30頁/PDF 34頁) / 事例②-1(本文31頁/PDF 35頁) / 事例⑤-1(本文38頁/PDF 42頁)
- 治験評価に関わる医師の感想を製品評価に用いる
医薬品の種類
耳鼻科用剤問題のあった情報提供活動・資材
オンライン説明会での企業担当者による説明内容
担当者は、県内の医師が第Ⅲ相試験の効果安全性評価委員会に参加し、本剤をよく効く期待の薬剤と評価している旨を説明した。さらに、地元の医師が関与したことを県にゆかりのある薬剤として訴求した。科学的・客観的な根拠ではなく、評価に関与した医師等の感想を使った情報提供が問題とされた。
ポイント
筆者整理:治験や評価委員会への参加という事実を、製品の有効性を保証する推薦として扱わない。医師の感想や地域との関係を説明する際は、それがデータの評価に代わる根拠や採用誘導になっていないか確認する。
出典
厚生労働省公表 2023年度報告書:事例③-3(本文33頁/PDF 37頁)
- 動物の抗うつ作用を他社との差として説明
医薬品の種類
漢方製剤問題のあった情報提供活動・資材
直接対面での企業担当者による説明内容
担当者は、本剤が他社製品と異なる特定成分を含み、抗うつ作用があると説明した。根拠を尋ねると動物実験のデータであり、ヒトでの有効性を示すデータはないと回答した。他社との比較データもなく、同一事例が③-4と⑦-3に掲載されている。
ポイント
筆者整理:成分の違い、動物での作用、ヒトでの有効性を明確に分けて説明する。他社との差別化に用いる場合は比較根拠も確認し、動物データであることを後から質問された際だけ説明する運用を避ける。
出典
厚生労働省公表 2023年度報告書:事例③-4(本文33頁/PDF 37頁) / 事例⑦-3(本文43頁/PDF 47頁)
- 口コミを根拠に義歯患者の使用感を訴求
医薬品の種類
制酸・緩下剤問題のあった情報提供活動・資材
直接対面での企業担当者による説明内容
本剤は義歯を使う患者でざらつきが少ないと担当者が説明した。資料を求めると、アンケート等はなく、全国のMRや採用先の医療機関から評価を聞いているという回答だった。粒子の細かさや崩壊によるものではないかという推測も示したが、客観的な根拠はなかった。
ポイント
筆者整理:使用感の説明でも、評価対象・質問方法・比較条件を確認できる資料があるか点検する。現場からの感想や製剤特性に基づく推測を、一般の患者で確認された効果や特性として伝えていないか確認する。
出典
厚生労働省公表 2023年度報告書:事例③-5(本文34頁/PDF 38頁)
- 直接比較なしに同効他剤より有効と説明
医薬品の種類
神経障害性疼痛治療剤問題のあった情報提供活動・資材
直接対面での企業担当者による説明内容
同効他剤と直接比較したデータがないにもかかわらず、担当者は本剤が他剤より有効であると説明した。同様の報告が複数の施設で確認された。
ポイント
筆者整理:製品間の有効性の優劣を示す表現について、対象患者・用量・評価項目が対応する比較根拠を確認する。複数施設で同じ表現が使われている場合は、個人の発言だけでなく、共通の想定問答や営業研修も点検する。
出典
厚生労働省公表 2023年度報告書:事例③-8(本文35頁/PDF 39頁)
- 観察研究から早期改善と腎予後の筋書きを作る
医薬品の種類
腎性貧血治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業作成の製品パンフレット内容
パンフレットは、ヘモグロビンを早く目標値に到達させると腎予後が良くなり、本剤なら早く貧血を改善できるという流れで採用を勧めた。しかし、引用された観察研究は治療開始12週までに到達させるべきとの結論を示しておらず、検証には限界があった。同じ作用機序の他剤より早く改善する根拠もなく、対象が腎性貧血か他の貧血も含むかが資料内で移り変わっていた。
ポイント
筆者整理:研究から導ける関連と、治療により予後が改善するという因果関係を区別して審査する。資料全体を通読し、対象疾患の切替や見出し・患者例の組合せによって、個々のデータを超えた治療効果が伝わっていないか確認する。
出典
厚生労働省公表 2023年度報告書:事例⑤-2(本文39頁/PDF 43頁)
2022年度(令和4年度)掲載報告書
- 別疾患の用量区分を用いて薬価を比較
医薬品の種類
糖尿病・慢性心不全治療剤問題のあった情報提供活動・資材
企業のWEB製品説明会のスライド・説明内容
心不全治療の薬価を比較する際、両剤の承認用量は同じ量であるのに、糖尿病治療での用量区分を使った。本剤を常用量、他剤を高用量として図表に示し、心不全でも同じ区分であるとの誤解を招く説明を行った。
ポイント
筆者整理:薬価や用量の比較は、説明対象となる適応疾患における承認条件をそろえて行う。複数の適応を持つ薬剤では、別疾患の用量区分や呼称を転用して有利な印象を作っていないか確認する。
出典
厚生労働省公表 2022年度報告書:事例①-1(本文31頁/PDF 35頁)
- 患者向け図の色・範囲で効果の強さを示唆
医薬品の種類
解熱鎮痛消炎剤問題のあった情報提供活動・資材
患者向け資材内容
全身作用型の貼付剤である本剤を、経口薬や局所作用型貼付剤と比較した図が患者向け資材に掲載された。本剤は濃い色を全身末端まで用い、全身という文字も強調した一方、経口薬の着色は薄く範囲も狭かった。図の見せ方により、本剤の方が効果が強く広範囲に及ぶ印象を与えた。
ポイント
筆者整理:文字の記載が正しくても、色の濃さ、着色範囲、文字サイズによる比較上の印象を確認する。薬剤が全身に作用することを、他剤より強い効果や広い有効範囲の証明として見せていないか、患者向け資材も審査する。
出典
厚生労働省公表 2022年度報告書:事例②-1(本文32頁/PDF 36頁)
- 根拠のない将来のガイドライン推奨を訴求
医薬品の種類
その他の循環器官用薬問題のあった情報提供活動・資材
オンラインでの企業担当者による説明内容
担当者は、本剤が治療ガイドラインの追補版に掲載され、既存薬より高い推奨度になる見込みと説明した。掲載予定という情報に根拠はなく、報告時点の最新版にも掲載されていなかった。
ポイント
筆者整理:ガイドラインの掲載・推奨度に関する説明は、発行主体が公表した情報と版・日付を確認する。将来の予定を紹介する場合も、確定事項と予測を区別し、根拠のない期待を購入・処方の理由に使っていないか点検する。
出典
厚生労働省公表 2022年度報告書:事例③-1(本文33頁/PDF 37頁)
- 作用機序の分類から他剤への優位性を説明
医薬品の種類
免疫疾患治療薬問題のあった情報提供活動・資材
オンラインでの企業担当者によるスライド・説明内容
採用前のヒアリングで、機能や遺伝的な違いから同効薬を分類したスライドが示された。担当者は結合部位の違いを理由に本剤の方が他の作用機序の薬剤より優れていると説明した。確認すると、優劣を示すデータや文献はなかった。
ポイント
筆者整理:機序を整理した概念図と、臨床上の有効性・安全性の比較を区別する。特定の部位に結合するという特徴から優越性を導いていないか、スライドに付け加える口頭の結論も確認する。
出典
厚生労働省公表 2022年度報告書:事例③-4(本文34頁/PDF 38頁)
- 日本人部分集団の数値から高い有効性を訴求
医薬品の種類
免疫疾患治療薬問題のあった情報提供活動・資材
オンラインでの企業担当者による説明内容
国際共同第Ⅲ相試験の全体集団と日本人部分集団のグラフを続けて示し、日本人ではより高い有効性が期待できると説明した。しかし、両集団の有効性の差を検証した結果ではなく、審査報告書にも顕著な差異は認められなかったと記載されていた。
ポイント
筆者整理:部分集団の結果を紹介することと、その集団で効果がより高いと主張することを分けて審査する。集団間の比較目的・解析方法・症例数と審査報告書の評価を確認し、数値の見た目だけで差を結論付けない。
出典
厚生労働省公表 2022年度報告書:事例③-5(本文35頁/PDF 39頁)
- 比較試験なしに凍結乾燥製剤の安定性を訴求
医薬品の種類
先天性代謝異常症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
電子添文改訂に関するオンライン説明内容
投与時間の短縮に関する改訂説明の際、担当者は本剤が凍結乾燥製剤であるため、搬送時の衝撃等に対する安定性が注射液より高いと付け加えた。凍結乾燥製剤と液剤の安定性を比較したエビデンスはなかった。
ポイント
筆者整理:剤形の違いから安定性や品質上の優位性を主張する場合は、比較条件と試験結果を確認する。電子添文の改訂に関する説明に、改訂と関係のない未審査の比較表現が追加されていないか点検する。
出典
厚生労働省公表 2022年度報告書:事例③-6(本文35頁/PDF 39頁)
- 自社の長期データだけで他社への否定的評価を誘導
医薬品の種類
その他の腫瘍用薬問題のあった情報提供活動・資材
オンラインでの企業担当者による説明・学会発表記録集内容
本剤の5年後までの追跡結果を示しながら、担当者は他社製品では同程度のデータが出ていないと述べ、医療関係者の意見を求めた。他社のデータ・グラフや直接比較結果は提示しなかった。同一事例が③-7と⑥-2に掲載され、他社への否定的な意見を引き出すような説明が問題とされた。
ポイント
筆者整理:長期追跡結果の紹介を、異なる試験の薬剤間比較や他社への評価に拡張していないか確認する。明示的な断定がなくても、質問の仕方や資料の組合せが根拠のない優位性を示唆していないか点検する。
出典
厚生労働省公表 2022年度報告書:事例③-7(本文36頁/PDF 40頁) / 事例⑥-2(本文43頁/PDF 47頁)
- 求められる治療の特徴を列挙し効果の強さを示唆
医薬品の種類
抗てんかん剤問題のあった情報提供活動・資材
オンラインでの企業担当者によるスライド・説明内容
初回単剤療法に求められる要素として効果の強さ等を列挙したスライドを示し、本剤がその項目をカバーする薬剤であると説明した。効果が強いとの直接の発言はなかったが、根拠を尋ねると臨床で使用する医師から聞いたという回答で、データはなかった。
ポイント
筆者整理:直接の断定だけでなく、列挙した条件を本剤が満たすという構成による示唆も審査する。効果の強さなど評価が曖昧な表現は、測定指標と根拠を明確にし、使用医師の感想だけを裏付けにしない。
出典
厚生労働省公表 2022年度報告書:事例③-8(本文37頁/PDF 41頁)
2021年度(令和3年度)掲載報告書
- 原著にない群間差を追記して直接比較を示唆
医薬品の種類
皮膚炎用薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談の説明資料・総合製品情報概要・企業ホームページ内容
試験では本剤とA剤をそれぞれプラセボと比較しており、本剤とA剤の直接比較は行っていなかった。資料のグラフには原著論文にない両剤間の差の推定値が追記され、直接比較で本剤の方が優れているような印象を与えた。総合製品情報概要や企業ホームページにも同様の追記があった。
ポイント
筆者整理:グラフの各比較がどの試験設計・解析に基づくかを確認し、追加した数値や線の意味を審査する。同じ図を複数媒体で使う場合は、元データの確認結果や修正を全媒体に反映し、口頭での補足も一致させる。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例②-1(本文31頁/PDF 35頁)
- 副次評価の図を大きく示して有効性を説明
医薬品の種類
関節機能改善薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン製品説明会のスライド・口頭説明内容
主要評価項目と副次評価項目を同じスライドに示したが、副次評価のグラフの方を大きく表示した。担当者は副次評価であることを説明せず、その結果を用いて有効性を訴求した。
ポイント
筆者整理:図の大きさ、配置、説明時間も、評価項目の重要度を受け手に伝える要素として審査する。副次評価を紹介する際は試験での位置付けを明示し、主要評価の結果と併せて解釈できる構成にする。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例②-2(本文32頁/PDF 36頁)
- 長期データがないまま将来の予後を訴求
医薬品の種類
多発性硬化症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
製品パンフレット内容
長期投与試験のデータがない本剤のパンフレットに、長期予後や10年後を見据える趣旨の表現が使われていた。本剤は新規作用機序の薬剤で、RMPでも長期投与時の安全性が重要な不足情報とされていた。
ポイント
筆者整理:将来の予後を訴求する見出しやキャッチコピーも、裏付ける観察期間・評価項目を確認する。長期の有効性・安全性が検証済みであるとの印象を与えないよう、不足情報と資料全体の表現を照合する。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例③-2(本文33頁/PDF 37頁)
- 経口剤のグラフで外用剤の使用回数を説明
医薬品の種類
化膿性疾患用薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談での企業担当者による説明内容
外用剤を1日1回塗布すればよいという説明の根拠として、担当者は経口剤のグラフを用いた。外用剤のデータを求めると、担当者はないと回答した。後にモニター自身が審査報告書を確認し、1日1回と2回で有効性に違いがない旨の記載を見つけた。
ポイント
筆者整理:使用方法の結論が妥当でも、投与経路や剤形の異なるデータをその根拠として提示してよいとは限らない。製剤ごとの承認資料を確認し、適切な資料がある場合は担当者がそれを把握して説明できるようにする。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例③-3(本文34頁/PDF 38頁)
- 前臨床の活性を臨床上の効果として伝える
医薬品の種類
抗ウイルス薬問題のあった情報提供活動・資材
電話での企業担当者による説明内容
ヒアリングへの回答を送る連絡の際、担当者は質問されていない対象に本剤の効果が高いと話した。企業ホームページにあったのは抗ウイルス活性に関する前臨床データの発表で、電話ではデータを提示せず、前臨床の結果であることも説明しなかった。
ポイント
筆者整理:前臨床の活性を患者で確認された治療効果として受け取らせないよう、データの段階を明示する。正式な回答後の電話や雑談を含め、担当者が未審査の効能説明を付け加えていないか点検する。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例③-6(本文36頁/PDF 40頁)
- 異なる作用機序の薬剤との比較を広げて説明
医薬品の種類
腎性貧血治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による説明・比較資料内容
新薬採用申請書には、本剤は同効薬より効果発現が早いとの記載があった。根拠資料を求めると、示されたのは作用機序の異なる薬剤との比較であり、同じ薬理作用の類似薬との比較ではなかった。同じ資料が医師への説明でも使用されていた。
ポイント
筆者整理:同効薬などの広い呼び方を使う場合は、実際の比較対象を具体的に示す。特定の薬剤との結果が同じ作用機序の薬剤全体に当てはまるとの印象を与えないか、資料と採用申請に伝わった内容を照合する。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例③-7(本文36頁/PDF 40頁)
- 有意差のない解析を専門家の意見で補強
医薬品の種類
糖尿病薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による説明・説明スライド内容
日本人集団のサブグループ解析で有意差がないにもかかわらず、担当者は日本人でも差が出ていると説明した。有意差がないことを指摘されると、教授も効果を期待しているという個人の意見を根拠に挙げた。配布資料等には製品名・規格の表記が正確でない点もあった。
ポイント
筆者整理:サブグループの数値差、統計的有意差、検証された結論を区別する。専門家の期待や感想で解析の限界を補う説明を避け、製品名・規格を含めた基礎的な表示の正確性も確認する。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例④-1(本文39頁/PDF 43頁)
- 自社の特徴に他社を評価する表現を付け加える
医薬品の種類
腎性貧血治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による訪問時の説明内容
担当者は、同じ投与量でも鉄の利用亢進をもたらすという本剤の特徴を説明した。この特徴自体は臨床試験で証明されていたが、他社には出せなかった特徴という表現を付け加え、他社への誹謗と受け取られる説明をした。
ポイント
筆者整理:根拠のある自社の特徴と、他社の技術や開発能力への評価を分けて審査する。事実の説明に付け加える短い営業上の表現も、他社を不当に低く評価したり根拠のない優位性を示したりしていないか確認する。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例⑤-1(本文40頁/PDF 44頁)
- 初回負荷投与の不要を臨床上の優位性と説明
医薬品の種類
片頭痛予防薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談での企業担当者による説明内容
担当者は、競合品では初回の負荷投与が必要であるのに対し、本剤は不要であることを挙げ、臨床上優れていると説明した。負荷投与の有無から臨床上の有用性の差を示す根拠はなかった。
ポイント
筆者整理:承認用法の違いを説明することと、その違いから治療成績や有用性の優劣を主張することを区別する。負荷投与、投与回数、剤形等の利便性を訴求する表現が、未検証の臨床的優位性まで含んでいないか確認する。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例⑤-2(本文40頁/PDF 44頁)
- 比較表にない競合品の欠点を口頭で付け加える
医薬品の種類
片頭痛予防薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談での比較表・口頭説明(上司同席)内容
本剤を含む3製品の比較表自体には問題がなかったが、担当者は質問されていない競合品の初回投与量や便秘の多さを挙げ、自社の優位性を説明した。上司も同席しており、報告書では組織的な説明の可能性も指摘されている。
ポイント
筆者整理:適切な比較表がある場合でも、口頭の補足が根拠を超えて他剤の不利益を強調していないか確認する。上司の同席を含む面談記録や指導内容を点検し、承認資料外の比較表現を組織内で広めていないか検証する。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例⑤-3(本文41頁/PDF 45頁)
- 良好な海外試験だけを紹介し国内試験を省く
医薬品の種類
心不全治療薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談での企業担当者による説明内容
担当者は主要評価項目で有意差があった海外第Ⅲ相試験だけを説明し、有意差がなかった国内第Ⅲ相試験には全く触れなかった。同様の説明は複数施設で確認された。国内の重要な評価資料を省くことで、効果を偏って伝えた事例である。
ポイント
筆者整理:承認の評価に用いられた主要な試験を把握し、成績が良い試験だけを選別していないか確認する。説明時間が限られていても、国内試験の結果と海外結果との差を含め、試験全体の評価が伝わる資料・説明手順にする。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例⑥-1(本文42頁/PDF 46頁)
- 未検証のサブグループ結果を講演で強調
医薬品の種類
血圧降下剤問題のあった情報提供活動・資材
スポンサー企業が関わる情報サイトのオンラインセミナー動画内容
演者は適応疾患の特定の症候に焦点を当て、審査報告書や原著論文では議論されていないサブグループ解析を紹介した。その症候を持つ患者に有効であると強調し、当該集団で有用性が臨床試験により検証されたとの誤解を招く内容だった。
ポイント
筆者整理:講演資料でも、サブグループの設定、解析計画、検証性、原資料との整合を確認する。情報サイト会社を介した配信や外部演者の講演についても、スポンサー企業の審査範囲と修正確認の手順を明確にする。
出典
厚生労働省公表 2021年度報告書:事例⑥-2(本文42頁/PDF 46頁)
2020年度(令和2年度)掲載報告書
- 試験デザイン図から併用薬を省略
医薬品の種類
抗リウマチ薬問題のあった情報提供活動・資材
対面面談での説明・インタビューフォーム等の試験デザイン図内容
審査報告書の臨床試験では、本剤と他剤の併用投与に切り替えて評価していた。一方、インタビューフォームや総合製品情報概要の試験デザイン図には他剤の投与が記載されず、本剤単剤への切替試験の結果と受け取れる表示になっていた。
ポイント
筆者整理:簡略化した試験デザイン図も、併用薬、切替時点、対象群等を原資料と照合する。図を省略・加工した結果、検証された治療条件とは異なる単剤効果を示す印象になっていないか確認する。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例②-1(本文29頁/PDF 33頁)
- 根拠を示さず併用薬の吸収阻害を説明
医薬品の種類
パーキンソン病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談での企業担当者による説明内容
本剤と他剤を投与するタイミングについて質問したところ、企業担当者は同時投与で他剤の吸収が阻害されると説明した。その吸収阻害については、審査報告書等に記載が確認されていなかった。
ポイント
筆者整理:相互作用の説明には、対象薬、投与条件、影響の程度を裏付ける資料があるか確認する。薬理上の推測を患者で確認された事実のように伝えず、不明な点は学術部門に確認して回答する。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例③-1(本文30頁/PDF 34頁)
- 選択性の高さを臨床上の優位性につなげる
医薬品の種類
抗リウマチ薬問題のあった情報提供活動・資材
オンラインのグループ面談での企業担当者による説明内容
既存の同種同効薬との違いを尋ねられ、企業担当者は選択性が高いことを理由に本剤が優れていると説明した。臨床上の効果を比較する試験は実施されていなかった。
ポイント
筆者整理:標的への選択性を示すデータと、患者における有効性・安全性の比較データを区別する。作用機序の特徴を説明するスライドや想定問答が、未検証の臨床的優位性まで主張していないか点検する。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例③-2(本文30頁/PDF 34頁)
- 剥がす際の痛みを根拠なく他剤と比較
医薬品の種類
がん疼痛治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
企業担当者は、他剤の方が粘着力が強く、剥がすときに痛みを生じるため本剤の方が優れていると説明した。報告書では、この比較を支えるエビデンスがない点が問題とされた。
ポイント
筆者整理:貼付・剥離時の使いやすさも、製品比較として説明する場合には比較条件と根拠を確認する。印象や経験談を一般的な優劣に置き換えず、口頭説明についても資材と同じ基準で審査・教育する。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例③-4(本文31頁/PDF 35頁)
- 引用元不明のデータで透析液の効果を説明
医薬品の種類
透析液問題のあった情報提供活動・資材
オンライン製品説明会でのデータ・説明資材の提供内容
製品説明会で、透析前後の電解質濃度が従来製剤と比べて変化したというデータを用いて有効性が説明された。データの引用元は示されず、インタビューフォーム・審査報告書・製品概要にも掲載がなかった。本剤の承認の根拠となった従来製品との有効性・安全性評価には触れられなかった。
ポイント
筆者整理:審査時には、すべての図表について引用元、対象集団、測定条件を追跡できるようにする。出所不明のデータだけで効果を訴求せず、承認の根拠となる評価と安全性も説明内容に組み込む。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例③-5(本文32頁/PDF 36頁)
- 直接比較していない試験から同等性を説明
医薬品の種類
抗精神病薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談での企業担当者による説明内容
本剤と類薬の違いを尋ねられ、担当者は各薬剤をプラセボと比較した試験から、両剤の有効性が同等であると説明した。説明資料には両薬剤の比較を示すものではないとの注意書きがあり、試験自体も両剤の同等性を検証する設計ではなかった。
ポイント
筆者整理:それぞれがプラセボに対して効果を示したことを、薬剤同士の同等性の証明に読み替えない。図表の注意書きと口頭の結論が矛盾していないか、比較の目的・設計・解析方法を含めて確認する。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例④-1(本文33頁/PDF 37頁)
- 優先すべき中央判定より有利な評価を紹介
医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
対面の製品説明会での企業担当者による口頭説明内容
主要評価項目について、中央判定と担当医師の判定が異なる場合は中央判定を優先する試験計画であった。説明会では、中央判定で有意差がなかったことに加え、担当医師の判定では有意差があったことを説明して有効性を訴求した。
ポイント
筆者整理:評価方法の優先順位と事前の試験計画を、説明資料の審査時に確認する。有利な別判定を紹介する場合も、主要な結論や解析上の位置付けが伝わる構成になっているか点検する。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例④-2(本文33頁/PDF 37頁)
- 口頭では競合製品名を繰り返して比較
医薬品の種類
抗菌薬問題のあった情報提供活動・資材
オンラインのグループ面談でのスライド・口頭説明内容
スライドでは成分名だけを記載し、他社の具体的な製品名は示していなかった。一方、担当者は口頭で他社製品名を繰り返し挙げ、本剤との比較を行った。
ポイント
筆者整理:他社製品名を出したことだけから、個別の説明を一律に違法と判断することは避け、比較の根拠・公平性・受け手への印象を確認する。承認済みのスライドだけでなく、口頭の補足や想定問答も審査・モニタリングの対象にする。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例⑤-1(本文34頁/PDF 38頁)
- 薬理作用だけで別の同種同効薬より優位と説明
医薬品の種類
腎性貧血治療薬問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談でのスライド・口頭説明内容
担当者はA剤との比較スライドを示しながら、別の同種同効薬であるB剤と比べて本剤のヘモグロビン上昇が緩やかであると説明した。B剤との定量的な比較データはなく、説明は薬理作用の違いだけを根拠としていた。
ポイント
筆者整理:表示された比較対象と口頭で言及する比較対象が一致しているか確認する。作用機序から予測される違いを、測定済みの臨床上の差のように説明していないか、数値の根拠まで追跡する。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例⑥-2(本文35頁/PDF 39頁)
- 有意差のある副次評価だけを説明
医薬品の種類
眼科用VEGF阻害剤問題のあった情報提供活動・資材
オンライン面談での企業担当者による説明内容
担当者は有意差が認められた副次評価項目だけを説明した。主要評価項目についてはスライドを用意せず、口頭でも必要な説明を行わなかった。
ポイント
筆者整理:主要評価項目の結果が資材と説明の双方に含まれているか確認する。副次評価を紹介するときは、その位置付けと解釈上の限界を添え、良好な結果だけが試験全体の結論として伝わらないようにする。
出典
厚生労働省公表 2020年度報告書:事例⑥-4(本文36頁/PDF 40頁)
2019年度(令和元年度)掲載報告書
- 異なる臨床試験を合算し優位性を印象付ける
医薬品の種類
抗菌薬問題のあった情報提供活動・資材
MRの製品説明会用スライド・説明資料内容
製品説明会のスライドでは、複数の臨床試験の結果を合算し、主要評価項目と副次評価項目も同列に並べていた。患者の年齢基準や試験目的が異なる結果が混在し、個々の症例数や非劣性試験の対照群も示されず、本剤が優れている印象を与える資料となっていた。有害事象の説明はあったものの、RMPの説明がなく、特に肝障害患者に関する安全性情報が不足していたと報告された。
ポイント
筆者整理:結果の集約では、試験目的、対象患者、評価項目、分母を揃えて比較できるか確認する。非劣性の結果を優越性と読み取らせる表示や、異なる試験の数値を一つの成績として見せる構成を避けたい。有効性資料と併せて、対象患者に必要な安全性情報が伝わるかも審査する。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例②-1(本文35頁/PDF 39頁)
- 掲載基準を変えて副作用の一部を省略
医薬品の種類
利尿剤問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による説明用資料・製品パンフレット内容
製品パンフレットには、投与期間別の副作用の表が掲載されていた。原著論文よりも掲載する発現頻度の基準を高くしたため、原著に記載されていた一部の副作用が表から抜けていた。副作用の種類が実際より少ないように見えるデータの抜粋として、疑義事例に整理された。
ポイント
筆者整理:原著から表を作り直す際は、表示対象の選択基準と省略した項目を確認する。頻度で絞る場合も、省略があることや選択理由を受け手が把握できるよう示し、安全性の全体像が偏っていないか審査したい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例②-2(本文35頁/PDF 39頁)
- 換算表だけで他剤より力価が高いと説明
医薬品の種類
パーキンソン病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
製品説明会でのMRによる口頭説明内容
製品説明会で、MRは本剤の力価が高いとして、本剤へ変更した例があると紹介した。他剤との比較試験を行ったわけではなく、説明の根拠はドパミン等価換算表だけであった。換算表の情報から他剤への優位性を述べ、本剤を勧めた事例として取り上げられた。
ポイント
筆者整理:用量換算のための情報と、臨床上の効果や優位性を示す根拠は区別する。換算表の数値を使う説明が、患者での効果の強さや切替の有用性を示したように伝わっていないか確認したい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例③-1(本文36頁/PDF 40頁)
- 説明相手に応じ参考試験だけを選んで提示
医薬品の種類
COPD治療薬問題のあった情報提供活動・資材
MRによる口頭説明内容
MRは、承認時の評価試験であるIMPACT試験ではなく、参考資料とされたFULFIL試験の結果だけで有効性と安全性を説明した。企業からは、病院にはIMPACT試験を、地域の臨床医には患者背景が実情に近いとしてFULFIL試験を説明しているとの説明があった。参考試験だけの紹介では、承認時の評価を十分かつ正確に伝えられない事例として掲載された。
ポイント
筆者整理:説明相手に合った試験を紹介するときも、その試験の承認審査上の位置付けと、ほかの重要な評価結果を確認する。分かりやすさを理由に情報が偏らないよう、主要な根拠、患者背景の違い、補足資料の関係を受け手が把握できる構成にしたい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例③-3(本文37頁/PDF 41頁)
- Web講習会で著名医師の評判を根拠に推奨
医薬品の種類
入眠剤問題のあった情報提供活動・資材
Web講習会での医師演者の発言内容
Web講習会の医師演者が、ある著名な医師が特定の系統の睡眠薬を良い薬だと述べていた、と紹介した。報告書では、根拠のない推奨説明として取り上げられ、演者の発言でもスポンサー企業の責任が問われるという観点が示された。
ポイント
筆者整理:演者に説明を依頼する場合は、名声や伝聞による推薦を、科学的根拠の代わりに使っていないか確認する。事前の資料確認に加えて当日の発言も把握し、製品の評価に関わる根拠のない発言を補足・訂正する手順を準備したい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例③-6(本文38頁/PDF 42頁)
- 試験から除外された患者にも効果を期待させる
医薬品の種類
腎性貧血治療薬問題のあった情報提供活動・資材
MRによる口頭説明内容
国内の第Ⅲ相臨床試験では、関節リウマチ患者が対象から除外されていた。それにもかかわらず、MRは、従来の製剤で効果が乏しかった関節リウマチ患者にも効果が期待できる薬であると説明した。試験で評価されていない患者群に対し、有効性を期待させる情報提供として掲載された。
ポイント
筆者整理:臨床試験の結果を説明する際は、選択基準と除外基準を確認する。薬理学的な期待や既存治療への反応の乏しさと、対象患者で実証された有効性を区別し、未検証の患者群へ効果を一般化していないか審査したい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例③-7(本文39頁/PDF 43頁)
- 供給停止を機に根拠なく他剤の代替を案内
医薬品の種類
緑内障・高眼圧症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
MRによる口頭説明内容
他の薬剤が供給停止となった時期に、MRは本剤がその薬剤の代わりになると説明した。両剤は作用機序が異なり、比較試験も行われていなかった。比較試験の結果や診療ガイドラインなどを示さず、代替可能性に言及した点が問題とされた。
ポイント
筆者整理:供給不足への対応を案内する場合も、代替として説明できる患者・病態と、その根拠を確認する。同じ疾患に用いる薬であることだけで同等の選択肢と示さず、作用機序、承認範囲、検証されている比較情報を分けて伝えたい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例③-8(本文39頁/PDF 43頁)
- 未確定のガイドライン推奨を製品の訴求に利用
医薬品の種類
夜尿症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業の製品説明会でのMRによる口頭説明・Web画面の提示内容
企業の製品説明会で、医療関係者から求められていないのに、民間ニュースサイトの画面コピーを表示した。国内ガイドラインには当時記載がないものの、次の改訂で高い推奨を得る見通しだと説明した。まだ確定していない情報を使って製品の有効性を訴求した事例として取り上げられた。
ポイント
筆者整理:ガイドラインを根拠とする説明では、公表主体、版、公開状況、実際の推奨内容を原典で確認する。ニュースや改訂予測を確定した評価として示さず、公表済みの情報と未確定情報を分け、製品の効能評価を先取りする表現を避けたい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例③-11(本文41頁/PDF 45頁)
- 経口投与の試験がないのに製品特徴の冒頭で訴求
医薬品の種類
経腸栄養剤問題のあった情報提供活動・資材
院内説明会のプレゼンテーション用スライド、企業担当者による口頭説明内容
院内説明会では、製品の特徴を示す最初のスライドで、経口投与の患者に適した製剤だと説明した。本剤の臨床試験は経管投与患者でのみ実施されていたが、審査上の判断により経口投与も承認範囲に含まれていた。経口投与自体が適応外なのではなく、その使用について客観的な試験データがないのに、主要な製品特徴として積極的に打ち出した点が問題とされた。
ポイント
筆者整理:承認されている投与方法かどうかと、その方法でどのような特性が実証されているかを分けて確認する。製品の主要な特徴として掲げる表現は、承認の経緯、試験対象、得られたデータの範囲に見合っているか審査したい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例④-2(本文42頁/PDF 46頁)
- 比較グラフに反して全ての細菌で優位と説明
医薬品の種類
抗菌薬問題のあった情報提供活動・資材
MRによる口頭説明、抗菌活性の比較グラフ内容
MRは複数の細菌に対する本剤と他剤の抗菌活性を比較したグラフを示し、どの細菌に対しても本剤の抗菌活性が高いと説明した。しかし、表示されたグラフには、本剤より他剤の抗菌活性が高い細菌も含まれていた。示したデータと一致しない、全体に及ぶ優位性の表現として掲載された。
ポイント
筆者整理:全て、一律などの表現を使う場合は、表示した全対象の結果がその結論を支えているか確認する。比較グラフと口頭説明を併せて審査し、例外を落とした説明や、抗菌活性から臨床効果にまで優位性を広げる説明がないか点検したい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例④-3(本文43頁/PDF 47頁)
- 作用機序と成績を理由に最上級の賛辞を使用
医薬品の種類
抗菌薬問題のあった情報提供活動・資材
薬剤部の採用ヒアリング用資料、企業学術担当者の説明内容
医薬品の採用可否を判断する薬剤部のヒアリングで、企業の学術担当者が説明を行った。従来の製剤とは作用機序が異なり、良い成績を得ていることを理由に、本剤を究極の薬という趣旨で表現した。情報提供に最上級の賛辞を用いた事例として取り上げられた。
ポイント
筆者整理:作用機序や試験成績は、検証された内容を具体的に示し、製品全体を無条件に高く評価する表現と分ける。採用審査用の資料でも、最上級の言葉が評価対象・条件・限界を見えなくしていないか確認したい。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例④-4(本文43頁/PDF 47頁)
- 後発品への切替に際して広く伝えた不利益情報
医薬品の種類
そう痒症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による情報提供内容
後発医薬品への切替が決まった後、先発品のMRが、適応症の違いにより他県で保険査定が行われているとして、切替の再考を求めた事例である。同じ説明は病院に加え、周辺の保険薬局にも行われていた。報告書は、後発品に不利益となる情報を積極的かつ広範に提供した点を問題として取り上げている。
ポイント
筆者整理:先発品と後発品の承認範囲を説明する際は、対象製品・適応症・確認時点を特定し、承認情報と保険審査に関する情報を分けて確認する。他地域の査定事例を紹介する場合も、出典や事例の条件を示し、その情報だけで切替先の製品全般に不利益があるとの印象を与えていないか、説明先を含めて点検する。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例⑤-1(本文44頁/PDF 48頁)
- 他施設の有害事象を持ち出した切替抑制
医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による情報提供内容
自社品から他社品への切替が検討されていた際、自社品のMRが、他施設では血管痛などの有害事象によって採用品を元に戻していると説明した事例である。その説明では、調査の方法や結果の詳細は示されていなかった。報告書は、切替先となる他社品に不利益となる情報提供として掲載している。
ポイント
筆者整理:他施設の使用経験を紹介する場合は、情報の出所、対象施設・患者、調査方法など、説明の妥当性を判断できる条件を確認する。個別の経験や伝聞を他社品の安全性全般の評価に広げていないか、自社品から他社品への切替抑制を目的とした説明になっていないかを、資材と口頭説明の両方で点検する。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例⑤-2(本文44頁/PDF 48頁)
- 比較データを示さない貼付時の使用感の優位性
医薬品の種類
パーキンソン病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者(MR)による口頭説明内容
MRが他社の同効薬を引き合いに出し、テープを貼った際の使用感は自社品の方が優れていると説明した事例である。報告書では、その優位性を裏付ける他社品との比較データがなかったことが指摘されている。
ポイント
筆者整理:使用感や使いやすさも比較上の優位性として説明するなら、比較対象、評価項目、評価方法を明らかにし、裏付け資料を確認する。個人の感想や製剤の特徴だけから製品全体の優位性を導いていないか、口頭説明用の想定回答も含めて点検する。
出典
厚生労働省公表 2019年度報告書:事例⑤-3(本文45頁/PDF 49頁)
2016〜2018年度の既掲載事例
(1)データやグラフの抜粋,加工,強調その他恣意的な見せ方に関する事例
- 1次治療の違いを示さずに,「日本人には効果が高い」との説明を行った事例
-
医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
プレゼンテーション用スライド内容
院内説明会において,説明スライド中で,1 次治療に抵抗性を示した患者を対象とした 臨床試験結果が紹介され,全症例と日本人の症例の奏効率を比較したグラフで,「日本人には効果が高い」との説明を受けた。全例と日本人で顕著な差があったため,企業担当者に確認したところ,「1 次治療の内容が全例と日本人で異なることが理由かもしれない」との返答を受けた。 後日,審査報告書を確認したところ,両者の1 次治療の内容は大きく異なっており,全症例ではA 剤の投与が5 割台,B 剤の投与が3 割台であるのに対し,日本人の症例ではA剤の投与が2 割台,B 剤の投与が7 割台であった。審査報告書には,この結果を受け,「製造販売後調査において,1 次治療の種類別の安全性等に関する情報を収集することが望ましい」とする記載もあった。こうした条件の違いを説明せずに,試験結果のみをプロモーションに用いるのは不適切である。ポイント
両者の前提条件の違いを示さずに,全例と比べて「日本人には効果が高い」と説明した。 - 国内試験の結果を示さず,海外試験の結果のみを根拠に安全性を強調した事例
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医薬品の種類
抗精神病薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
院内勉強会において,本剤の副作用としてQT 延長の有無を企業担当者に問い合わせたところ,「海外試験では12mg/日の用量でQT 延長は認められなかったため,その懸念はない」との返答を受けた。しかし,審査報告書を確認したところ,国内試験かつ,より低用量の投与でQT 延長が発生していた。ポイント
本剤に不利益となる国内試験の結果を示さず,海外試験の結果のみで安全性を強調した。 - 3群比較試験の結果のうち,1群または2群の結果のみをグラフで示した事例
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医薬品の種類
脂質異常症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
プレゼンテーション用スライド内容
院内説明会での説明スライド中において,審査報告書では3 群比較試験であった,有効性を示す複数のグラフについて,1 群または2 群の結果のみを抽出したグラフを示していた。3 群のうち2 群は本剤(低用量群,高用量群)であるが,TG 変化率等を比較するグラフにおいて,低用量群とプラセボ群のみの結果が紹介されていたので,審査報告書を確認したところ,投与量が増えても結果に大きな差異は見られなかった。 「本剤を増量しても効果に大きな差異はない」という情報も重要であり,3 群比較試験の結果としてきちんと説明するべきである。ポイント
3 群比較試験のうち,1 群または2 群の結果のみを抽出してグラフを作成した。 - 対照薬を上回っている一部分のみを強調して説明を行った事例
-
医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
新薬ヒアリングにおいて,対照群とのOS 率を比較したKaplan-Meier 曲線を示し,「本 剤の対照群に対する優位性は確認されていない」と適正使用ガイドにも記載されているにもかかわらず,本剤投与群が対照群を上回っている一部の期間を強調するような説明を行った。また同様に,「造血幹細胞移植患者では対照群と比較してOS 期間の短縮が認められた」と適正使用ガイドに記載されているにもかかわらず,OS 率が上回っている一部の期間のみを強調して,本剤の優位性を主張する説明を行った。ポイント
本剤の優位性が確認されていないにもかかわらず,Kaplan-Meier 曲線のOS 率が上回っている箇所のみを強調して,本剤の優位性を説明した。 - 原著論文からの引用に当たり,特に重大かつ本剤に不利な情報のみを示さなかった事例
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医薬品の種類
乾癬治療薬問題のあった情報提供活動・資材
新薬ヒアリング用資料内容
新薬ヒアリング時に,その場限りの資料として,安全性に関する対照薬との比較試験の結果を示された。原著論文に記載されている結果をそのまま引用・翻訳していたが,そのうち「悪性腫瘍」の項目のみが引用されていなかった。「悪性腫瘍」は副作用として特に重大であり,かつ,本剤では発生したが,対照薬では発生しなかったものであり,原著論文を恣意的に引用したと考えられる。ポイント
安全性について,特に重大かつ本剤に不利な情報のみ示さなかった。 - 主要評価項目である変化量を絶対値に変更してグラフを作成した事例
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医薬品の種類
糖尿病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
製品紹介パンフレットにおいて,「優れたHbA1c の低下効果が認められた」という記載とともに,主要評価項目の結果を示すグラフが引用されていたが,パンフレットのグラフは縦軸がHbA1c の絶対値であるのに対し,原著論文・審査報告書の縦軸はHbA1c 変化量であった。本来の主要評価項目は変化量であり,絶対値で示すことは引用に該当しない。ポイント
主要評価項目である変化量を絶対値に変更して,グラフを作成した。 - 誤った凡例の記載やグラフの縦横比の調整を行った事例
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医薬品の種類
糖尿病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
医療関係者向け情報サイト上の製品紹介動画内容
医療関係者向け情報サイト上の製品紹介動画で,本剤投与群とプラセボ群の血糖値の推移を表すグラフが引用されていたが,凡例が誤って逆に表示されていた。また,グラフが横長になるように縦横比が変更されており,変動が小さく血糖コントロールが良好であるという印象を受けるグラフとなっていた。ポイント
グラフの引用に当たり,不正確な引用や縦横比の調整を行った。 - 原著論文からの引用において,恣意的と思われるグラフの選択を行った事例
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医薬品の種類
鎮痛薬問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
製品紹介パンフレットに,本剤投与群で血圧の変化がなかったことを示すグラフが引用されていた。原著論文では,対照薬のグラフも合わせて掲載されており,国内用量の数倍の用量で使用されている対照薬においても血圧の有意な上昇は認められていなかった。しかし,パンフレットでは対照薬のグラフが示されておらず,本剤のグラフのみを引用することで,本剤のみが血圧上昇リスクが低いかのような印象を与えていた。ポイント
対照薬のグラフを示さず本剤のグラフのみを掲載することで,本剤のみが血圧上昇リスクがないかのように見せた。 - 優位性を示すことができる副次評価項目の結果のみを詳細に紹介した事例
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医薬品の種類
抗ウイルス薬問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
「ウイルス減少効果」にフォーカスした製品紹介パンフレットにおいて,主要評価項目 である罹病期間の結果は,数行の文章のみで紹介されており,対照薬との比較結果も示されていなかった。一方,副次評価項目である「ウイルス力価の変化量」及び「ウイルス力価に基づくウイルス排出停止までの時間」は,グラフと文章で対照薬との比較を2 ページにわたり紹介し,本剤の優位性を強調していた。審査報告書を確認したところ,主要評価項目については対照薬との有意差がなく,データの示し方に恣意性が見られた。ポイント
優位性を示すことができる副次評価項目の結果のみを詳細に紹介している。 - 有害事象の一覧として,臨床試験で多く認められた項目を示さなかった事例
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医薬品の種類
糖尿病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
医療関係者向け情報サイト上の座談会記事内容
医療関係者向け情報サイト上の座談会記事において,第Ⅲ相試験の有害事象の概要として,有害事象の発現状況が一覧で紹介されていたが,審査報告書に記載のあった「ケトアシドーシス関連事象」等,複数の項目が削除されていた。審査報告書で「多く認められた有害事象」とされている「ケトアシドーシス関連事象」は,安全性の観点から紹介すべきであり,選定方法が不適切と思われた。ポイント
有害事象の一覧に,臨床試験で多く認められた事象を示さなかった。 - 副作用発現率に影響のある前投薬の情報等を記載しなかった事例
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医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
製品紹介パンフレットに掲載されていた第Ⅰ相臨床試験結果において,副作用の発現率が他社製品と比較して著しく低かったため,審査報告書を確認したところ,パンフレットにはない前投薬の記載があった。また,同試験の目的についても,審査報告書に記載のあった「安全性の比較検討」がパンフレットでは削除されており,「薬物動態の同等性の検証」のみが目的として記載されていた。ポイント
安全性を評価する上で必要な前投薬の情報を記載しなかった。 - 原著論文からの引用において,不正確な引用や不適切な情報の削除・統合を行った事例
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医薬品の種類
抗リウマチ薬問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
製品紹介パンフレットの記載について,原著論文からの不適切な引用と思われる点が散見された。 原著論文では,重篤な副作用として,個別の名称とともに詳細な発現状況が記載されているが,パンフレットでは複数項目がまとめられており,本剤の使用に当たって特に注意すべき項目の記載が省略されていた。 原著論文から引用したデータについて,数値が一致しない箇所があった。 原著論文から引用した患者満足度の調査結果について,回答不明の患者を除外して集計した旨の記載が省略されていた。ポイント
原著論文からの引用に当たり,不正確な引用や不適切な情報の削除・統合を行った。 - 症例数の少ないサブグループ解析の結果のみを紹介し,有効性を主張した事例
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医薬品の種類
気管支喘息治療薬問題のあった情報提供活動・資材
プレゼンテーション用スライド,製品紹介パンフレット内容
医師向けの院内製品説明会で,企業担当者が第Ⅲ相国際共同臨床試験の主要評価項目である年間喘息増悪率について,全例解析(実薬群・プラセボ群いずれも約250例)の結果を紹介せず,日本人集団(実薬群・プラセボ群いずれも約15例)についてのサブグループ解析結果のみを紹介した。その他の副次評価項目については全例での結果が紹介されており,なぜ主要評価項目は日本人データのみを紹介したのか尋ねたところ,「医師は日本人データを求めるため」との回答を受けた。症例数は少ないものの,全例解析よりもサブグループ解析の方が良い結果が出ており,恣意性が感じられた。 なお,医師向けと思われる簡素なパンフレットにもサブグループ解析の結果のみが記載 されていた。ポイント
主要評価項目について,症例数の少ないサブグループ解析の結果のみを紹介した。 - プレゼンテーション用スライドにおいて,恣意的と思われる解析結果を紹介した事例
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医薬品の種類
血友病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
プレゼンテーション用スライド内容
製品紹介のプレゼンテーションにおいて,週1 回投与群のうち**週までに出血しなかった患者の割合に並べて,**週まで週1 回投与が継続できた患者のうち出血しなかった患者の割合が提示されたが,後者のデータは,配布された総合製品情報概要や審査報告書には記載がない。何らかの理由で週1 回投与が継続できなかったケースが脱落しているものであり,後者のデータの価値は乏しく,かつ優良誤認をしかねないものであった。なお,プレゼンテーション用スライドは配布されなかった。ポイント
恣意的かつ優良誤認を招きかねない解析結果を紹介した。 - 比較試験の結果から対照群のデータを削除して紹介した事例
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医薬品の種類
抗菌薬問題のあった情報提供活動・資材
MR 提供資料及びホームページの臨床試験結果紹介内容
D 社のホームページ及びMR が提供した資料に,抗菌薬の臨床試験結果が紹介されていた。主要評価項目・副次評価項目を問わず,臨床効果,細菌学的効果,医師による評価,有害事象等の多数の掲載グラフで,比較試験の結果であるにもかかわらず,引用論文には記載のあった対照薬の結果が掲載されていなかった。比較対象を削除することで,D 社の抗菌薬の効果や安全性を正確に評価できない可能性があった。また,主要評価項目の評価は95%信頼区間を用いて「非劣性」,「優越」の判断を行ったという記載はあるものの,その評価結果は示されていなかった。ポイント
データの一部のみを抜粋することで,効能効果を誇大に見せている。 - 非劣性試験の結果から対照薬群のデータを削除して紹介していた事例
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医薬品の種類
糖尿病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
簡易版製品パンフレット内容
E 社の糖尿病治療薬のパンフレットにおいて,「優れた血糖低下効果」という表題のページに,HbA1c 値の変化量の推移を示すグラフが掲載されていた。原著論文では,非劣性試験として,対照薬群,当該薬品100mg 群,300mg 群のデータが1つのグラフにまとめられていたが,パンフレットでは当該薬品100mg 群のみのグラフとなっていた。主要評価項目である52 週目の値についてみると,当該薬品100mg と対象薬群の差が0.01%であり,当該薬品のデータのみを抜粋することで血糖降下作用を強調していることが疑われた。ポイント
データの一部のみを抜粋することで,効能効果を誇大に見せている。 - 優位なデータのみを抜粋し,本来の主要評価項目ではない薬力学的動態の評価を強調した事例
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医薬品の種類
プロトンポンプ阻害薬問題のあった情報提供活動・資材
パンフレット(2018 年2 月作成)内容
F 社のパンフレットにおいて,臨床試験結果として,当該医薬品と類似薬における24時間の胃内pH の推移を示すグラフが掲載されていた。パンフレットのグラフはベースラインと1 日目のデータの記載であったが,原著論文ではさらに7 日目のデータも記載されており,類似薬よりも効能効果が優れているデータのみを抜粋したことが疑われた。 また,当該ページの上部には,「投与1 日目は2~3 時間後に胃内pH4 に達し,4 時間後に胃内pH7 に達しました」とタイトルが付けられていたが,本来,研究の主要評価項目は「24 時間の胃内pH≧3,pH≧4,pH≧5 のHTR(Holding Time Ratio),24 時間の平均胃内pH」であり,薬物の薬力学的動態を評価する研究ではない。原著論文の真意を損ねかねないタイトルが付けられていた。ポイント
データの一部のみを抜粋することや,引用論文本来の目的にそぐわないタイトルを記載することで,効能効果を誇大に見せている。 - 非盲検期を含めたデータであったものを盲検期のみのデータに加工し,対照群との差を誇大に見せた事例
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医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
製品情報概要内容
G 社抗がん剤の総合製品情報概要に掲載されていた客観的奏効率のグラフが,インタビューフォーム・引用論文に記載されていた表のデータと異なっていた。 インタビューフォーム・論文で紹介された奏効率は,G 社抗がん剤群45.0%,プラセボ群13.0%であり,注釈に「プラセボ群の奏効例13 例中12 例は非盲検期間中に奏効が認められた」旨の記載があった。一方,総合製品情報概要では,「盲検期のデータ比較」とした上でプラセボ群の奏効例12 例を奏効率の分子から除くことで,プラセボ群の奏効率が1%となっていた。総合製品情報概要とインタビューフォーム・論文を比較すると,G 社抗がん剤とプラセボ群の差が拡大していた。 データの加工によって効能効果が誇大に評価されかねない事例であった。ポイント
データを修正することで,効能効果を誇大に見せている。 - 恣意的な補助線により,対照群との差を誇大に見せた事例
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医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
MR によるプレゼンテーション(スライド・口頭説明)内容
H 社のMR が薬剤部向けに自社の抗がん剤についてプレゼンテーションを行ったところ,臨床試験結果であるPFS を示すグラフに,インタビューフォームと製品情報概要には記載のない“補助線”が追加されていた。この補助線は対照群との差が大きい観察期間12 か月時点に引かれていたが,片群200 例以上のランダム化比較試験において12 か月時点で結果が得られている症例はわずかに11 例と5 例のみであった。 補助線の位置は観察期間中央値でもなかったため,MR に線を記載した理由を尋ねたところ「生存期間中央値に未達であったので,最長観察期間に補助線を入れた」と説明があった。しかし,生存期間中央値に未達で最長観察期間が21 か月であるグラフでも,12 か月時点に補助線が引かれていたため,MR の説明は矛盾していた。 当該グラフの上には,「対照薬群と比較して有意にPFS を延長した」という趣旨の文章に続き「12 か月時点のPFS 率は当該医薬品群*%,対照薬群*%であった」と記載がある。科学的に明確な理由なく,差が大きいところに補助線を引き,文章化しており,読み手が細部を注意深く見なければ,有効性を過大に評価しかねなかった。ポイント
補助線の追加と説明文によって,効能効果を誇大に見せている。 - 原著論文にはない着色や補助線で効能効果を強調した事例
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医薬品の種類
糖尿病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
パンフレット(2017 年5 月作成)内容
I 社の糖尿病薬等を説明するパンフレットで,薬物治療に関する項目として「食後1 時間以内の血糖のピークを抑制しました」というタイトルとともに,食後時間と血糖値の関係を示したグラフが掲載されていた。このグラフには,原著論文にはない,横軸の「30分」「60 分」表記への色付けや,血糖値160mg/dL に補助線が引かれるといった加工が行われており,他社製品との差を強調している印象を受けるものであった。ポイント
補助線の追加と着色によって,効能効果を誇大に見せている。 - グラフの軸の目盛を変更したり,論文には記載のないデータを追加した事例
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医薬品の種類
多発性硬化症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
パンフレット内容
J 社のパンフレットでは,効能効果を示すグラフの縦軸が0%~50%であったが,引用論文では縦軸が0%~100%であった。軸の目盛を変更することで,視覚的に有効性を高く評価しかねない可能性があった。 また,ベースライン時の総合障害度(EDSS)及び治療歴からみた年間再発率のグラフには,引用論文にはないベースラインデータが追記されており,軸の最大値を変更することで,本来比較すべき群間差がわかりにくい内容となっていた。ポイント
軸の尺度の変更等によって,効能効果を誇大に見せたり,引用論文本来の目的をわかりづらくしている。 - 論文中から特に優位性を示せる一部のデータのみを使用した事例
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医薬品の種類
抗生物質製剤問題のあった情報提供活動・資材
パンフレット(2016 年8 月作成)内容
G 社のWeb セミナーで配布されたパンフレットにおいて,「****に対して当該医薬品はバランス良く優れた抗菌力を示します」というキャッチコピーとともに,特定の菌に対する薬剤感受性に関する図として,5 種類の内服抗菌薬に関するデータが掲載されていた。原著文献から内服抗菌薬に関するデータを抜粋して作成されたかのように見えたが,文献を確認したところ,これらの薬以外の有効性が確認された内服薬のデータ,静注抗菌薬のデータがパンフレットには未掲載であることがわかった。パンフレットにはデータの抜粋に関する記載がなく,表記方法として不適切だと思われる事例であった。 また,この図の下には監修者のコメントとして「軽症から中等症の疾患の増悪時の抗菌薬として有力な選択肢のひとつとして考えられる」の記載があるが,本来抗菌薬治療は経静脈投与も含めるべきであり,掲載している図では原著に記載されている静脈投与が除外されている点を考慮すると,図からコメントへの流れは「軽症から中等症の疾患」との断り書きを踏まえても,静注抗菌薬を意図的に除外して当該医薬品の処方を誘導しているのではないかと考えられた。ポイント
図の一部のみを抽出・加工することで,効能効果を誇大に見せている。 - グラフの縦軸の間隔を伸ばすことで効果を誇張した事例
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医薬品の種類
気管支拡張剤問題のあった情報提供活動・資材
製薬企業が主催するWeb セミナーの図表内容
E 社が主催するWeb セミナーにおいて,医薬品の有効性を示すために,実薬対象比較 試験の結果の説明がなされた。主要評価項目である「中等度又は重度の疾患の増悪回数」 のグラフについて,スライド上で差が大きく見えるようにグラフの縦軸の一部を拡大して,効果を強調する場面があった。なお,製品情報概要には通常のグラフが掲載されており,スライドのみが視覚的に差を強調したものとなっていた。画面が切り替わるタイミングが早ければ,データを正確に読み取れない危険性があった。 (イメージ) 製品情報概要のグラフスライドのグラフポイント
誤解を生じさせやすいグラフの加工によって,効能効果を誇大に見せている。 - 引用論文の図から一部を抜き出した形で試験結果を紹介した事例
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医薬品の種類
抗ヒスタミン薬問題のあった情報提供活動・資材
製品情報概要内容
F 社の抗ヒスタミン薬の総合製品情報概要で,慢性特発性蕁麻疹患者に対する二重盲検比較試験の結果として,“初回投与24 時間後の午前”の痒みスコアの変化率が掲載されていた。しかし,引用論文においては,初回投与24 時間後・1 週間後・6 週間後の3 時点で1枚のグラフが作成されており,論文の図から効果を顕著に示すことができる一部のみを抜粋したものとなっていた。製品情報概要のみを見ると,バックグランドとして持つべき情報が欠けており,薬剤の効果を正しく評価できない可能性があるものとなっていた。 (イメージ) 製品情報概要のグラフ引用論文のグラフポイント
図の一部のみを抽出・加工することで,効能効果を誇大に見せている(「医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領」(日本製薬工業協会)では,「原著論文からデータを引用する場合は内容が正確に伝わるよう記載し,結論が自社製品に優位な部分のみ抜粋することなく,原著の真意を損なわないように配慮し,出典を明示すること」としている)。 - 誤解しかねないスライド構成やデータで,医薬品の優位性をPRした事例
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医薬品の種類
代謝調節剤問題のあった情報提供活動・資材
MR によるプレゼンテーション(スライド・口頭説明)内容
H 社の代謝調節剤について追加の適応が承認されたので,モニター医療機関で勉強会が開催された。H 社の担当MR が当該医薬品と腫瘍崩壊症候群に関する説明をする中,1 スライドだけではあるが,既存薬との比較試験のデータを示し,「既存薬に対し当該医薬品は優位性を持っている」と説明した。しかし,このデータは従来の適応のものであって,追加された適応のものではなく,さらには追加された適応では既存薬に対する非劣性のデータしかなかった。勉強会のテーマとは若干外れた内容のスライドをプレゼンテーションの中で紹介されることで,誤認の恐れがあった。ポイント
誤解を生じさせやすいスライドの構成やデータによって,効能効果を示している。 - 指定外の初期投与量を推奨,及び,データの比較において強調を行った事例
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医薬品の種類
抗リウマチ薬問題のあった情報提供活動・資材
医療関係者向け情報提供サイトでの企業配信動画内容
医療関係者向け情報提供サイトにおいて,D 社が作成した医師向けの処方に関する説明動画を医師・薬剤師向けに配信していた。 当該医薬品の投与方法について,動画中では,1 日量100mg から開始し,患者の状態を確認しながら増量することを推奨していたが,添付文書の用法用量には,100mg を1日3 回投与(1 日量300mg)し,本剤に対する反応等に応じ,効果の得られた後には1 日量100〜300mg の範囲で投与するとあった。つまり,初期投与量1 日量300mg が本来の投与方法であるが,動画では,初期投与量が1 日量100mg の用法用量を推奨していた。 また,他の医薬品の単独群に比べて,当該医薬品を含む複数の医薬品の併用群は有効性を示す数値が有意に高く,効果不十分による投与中止例の割合が有意に少ないことを示したグラフが動画中に表示されていたが,それぞれの棒グラフの色が変わったり点滅したりといった強調がなされていた。ポイント
承認されていない用法用量を推奨している。また,対象薬との比較を強調するプロモーションを行っている(「医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領」(日本製薬工業協会) では,「対照薬(プラセボを含む)との比較や投与前後の違いを示す図表においては,矢印等を用いて差を強調しないこと。また,文字の大きさや色使いなどで差を強調しないこと」としている)。 - 他社でも行っている副作用調査について「当社だけ実施」とPRした事例
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医薬品の種類
造影剤問題のあった情報提供活動・資材
MR による口頭説明内容
モニター医療機関に対してI 社の担当MR から,「非イオン性造影剤の後発医薬品メーカーでは,副作用調査を行っている会社は当社だけである」というプロモーションが行われた。しかし,実際には他社でも造影剤に関する副作用調査が行われており,事実と異なる説明がなされた。ポイント
誤った事実に基づくプロモーションを行っている。 - 医薬品の優劣とは関連しない“治療指針の掲載順”をPRする一方,安全性に関する情報提供が一切なかった事例
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医薬品の種類
精神神経用剤問題のあった情報提供活動・資材
MR によるプレゼンテーション(口頭説明)内容
院外の勉強会において,J 社のMR が当該医薬品について一通り製品概要を説明した後,治療の位置づけとして「『今日の治療指針』において,薬物治療の第一選択として他の医薬品よりも“前に”記載されている」と強調した発言があった。医薬品の表記の順番によって優劣が決まることはなく,他の医薬品よりも優れているという事実誤認を生じかねない表現であった。 また,治療ガイドライン及び「今日の治療指針」などにおいて,治療の位置づけを説明すること自体は問題ないが,本来の目的は医薬品適正使用のための情報提供であり,高齢者の安全な薬物療法ガイドラインにあるような「漫然と長期投与せず,少量の使用にとどめるなど,慎重に使用する」といった安全性に関する情報提供はなかった。自社製品にとって都合のよい内容だけを用いて説明することは,効能効果や安全性等の保証や誇大な表現につながりかねない事例であった。ポイント
医薬品の優劣とは無関係なことをプロモーションに用い,効能効果を誇大に見せている。 また,安全性を軽視したプロモーションを行っている。 - 症例数の少ないデータや理論上あり得ない数値を用いたPRや,リスクを軽視した製品説明を行った事例
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医薬品の種類
抗アレルギー薬問題のあった情報提供活動・資材
MR によるプレゼンテーション(口頭説明・スライド)内容
モニター医療機関で実施された新薬のヒアリングにおいて,K 社の担当MR が抗アレルギー薬の特性について実験結果に基づいて説明を行った際に,当該医薬品と他の薬剤を比較したグラフで,当該医薬品の結果が理論上あり得ない数値を示していたにもかかわらず,他剤との差を持って優位性が認められることを主張していた。また,当該医薬品の結果は10 例ほどの症例に基づく結果であった。 さらに,MR は,医薬品リスク計画書に,重要な特定されたリスク・重要な潜在的リスク・重要な不足情報に関する記載がないことから「他剤よりもリスクが少ない」と表現し,「他剤ではアナフィラキシー症状等が発生するが,当該医薬品には記載がなく,発生リスクが少ない」とも紹介していた。アナフィラキシー症状の発生は医薬品ではなく患者によるものであり,全般に安全性を軽視するようなプロモーションがみられた。ポイント
症例数が少ないデータを用いて不適切な説明を行ったり,安全性を軽視したプロモーショ ンを行っている。
(2)エビデンス不足や信頼性に欠ける説明に関する事例
- 十分な根拠に基づかない医師個人の意見を宣伝に用いた事例
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医薬品の種類
鎮痛薬問題のあった情報提供活動・資材
医療関係者向け情報サイト上の製品紹介動画内容
医療関係者向け情報サイト上の製品紹介動画で,高齢者の疼痛対策の「第1 選択」であるとして,医師が本剤を推奨していた。しかし,他剤ではなく本剤を選択すべきエビデンスは示されず,また添付文書には,「高齢者には副作用が現れやすい」と記載されている。ポイント
十分な根拠なく医師個人の意見を宣伝に用いた。 - 企業担当者個人の感想に基づき,根拠なく他剤に対する優位性を説明した事例
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医薬品の種類
子宮内膜症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
院内説明会の際に,「他社製品より味が良い」との発言があり,その根拠を確認したところ,企業担当者本人が服用してみての感想であり,エビデンスはなかった。ポイント
企業担当者個人の主観をもとに,他剤に対する優位性を説明した。 - 不正確な理解に基づき,他社製品に対する優位性を説明した事例
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医薬品の種類
漢方薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
企業担当者が他社製品との比較資料を持参し,「他社製品よりも安価で,論文数が多く品質が優れている」との説明を行った。実際には,1 日薬価は本剤の方が高く,また論文数のみをもって,内容も精査せずに品質が優れていることの根拠とするのは不適切である。ポイント
不正確な情報・理解に基づき,他社製品に対する優位性を説明した。 - 作用機序のみで,他社製品に対する安全性の優位性を説明した事例
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医薬品の種類
鎮痛薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
本剤は,添付文書にも併用注意の薬剤が記載されているが,企業担当者は,CYP に関連しないことやグルクロン酸抱合であること等,作用機序を根拠として,「相互作用が特になく他社製品より安全である」との説明を行った。作用機序の説明は妥当であっても,併用した場合の安全性を実証したエビデンスを示さずに,他剤に対する優位性を説明するのは不適切である。ポイント
実証したエビデンスを示さずに,作用機序のみで他剤に対する優位性を説明した。 - 十分なエビデンスなく,有効性についての説明を行った事例
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医薬品の種類
利尿薬問題のあった情報提供活動・資材
プレゼンテーション用スライド内容
薬剤部内勉強会において,「心不全患者に対する本剤の投与は,心不全による再入院を減少させる」との説明があったが,原著論文は心不全患者に対する本剤の投与と尿アクアポリン2 の関係が主題であり,再入院の減少を研究目的とするものではなく,結果を見てもエビデンスとしては不十分であった。 なお,『心不全診療ガイドライン』においても,「再入院を減少させることを示唆する報告も見受けられるが,長期予後改善効果は確立されていない」との表現に止まっている。ポイント
不十分なエビデンスしかないにもかかわらず,断定的な表現で有効性を説明した。 - 異なる規格の製剤の情報をもとに,エビデンスに基づかない説明を行った事例
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医薬品の種類
酸分泌抑制薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
企業担当者から医師が,逆流性食道炎の維持療法への本剤5mg 製剤(10mg 製剤と20mg製剤は後発医薬品が販売されているが,5mg 製剤は販売されていない)の使用を勧奨された。逆流性食道炎の維持療法については,10mg 製剤または20mg 製剤の使用が想定されており,審査報告書にも10mg 製剤の1 日2 回から1 日1 回への減量についてしか記載されていないにもかかわらず,医師の判断で減量が可能であることを根拠に,「5mg 製剤も使用可能である」との説明を受けたとのことであった。 また,インタビューフォームに「20mg 製剤1 日1 回より10mg 製剤1 日2 回の方が効果が高い」と記載されていることを根拠に,「10mg 製剤1 日1 回より5mg 製剤1 日2 回の方が効果が高い」との説明も行ったとのことであったが,この裏付けとなる研究はなかった。ポイント
異なる規格の製剤の情報を援用し,エビデンスに基づかない説明を行った。 - 査読のない学会のポスター発表の写真を情報提供に用いた事例
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医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による提供資料内容
企業担当者が包装変更等の情報提供を行った際に,「このような情報もあるので活用してほしい」と述べ,本剤を扱った学会のポスター発表(本剤の投与方法と血管痛の関係についての報告)を撮影した写真を資料として提供した。なお,このポスター発表は結果の解釈に誤りが見られ,正確性に欠けると思われた。ポイント
査読のないポスター発表の写真を情報提供に用いた。 - 10例未満のデータをもとに有効性を主張した事例
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医薬品の種類
漢方薬問題のあった情報提供活動・資材
プレゼンテーション用スライド,製品紹介パンフレット内容
医局での製品説明会において,慢性扁桃炎患者に対する投与症例文献を示し「全例で有効であった」と説明を行ったが,本剤を投与した10 例のうち3 例は「来院しなかったため評価できなかった」とのことであった。つまり,実際には7 例についての評価であり,信頼性に欠ける情報提供である。なお,当該データはプレゼンテーション用スライド以外に,製品紹介パンフレットにも掲載されている。ポイント
10 例未満のデータをもとに有効性を主張した。 - 信頼性に欠けるデータや説明が不十分なデータを用いて,有効性等を説明した事例
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医薬品の種類
保湿薬問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
ヒアリング時に提供された複数の製品紹介パンフレットにおいて,信頼性に欠けるデータを用いた記載や,データの説明が不十分な点が多数見られた。 企業担当者より「薬剤切り替え後の有効性及び安全性を確認した」との説明があったが,根拠として示されたデータは,クロスオーバーもされていないシングルアームの切り替え試験であった。 臨床試験の概要に,患者プロファイルの記載がなかった。また,主要評価項目が「薬剤切り替え後の治療効果」としか記載されておらず,詳細が示されていなかった。 参考情報として紹介されている患者アンケートは,設問内容等の記載が不十分であった。 薬物動態や薬効薬理の説明箇所では,コントロール群が,同じパンフレットで紹介された臨床試験結果や患者アンケートとは異なる剤形であり,資料を通してデータの整合性がとれていなかった。 「短い時間で塗ることができる」という訴求の根拠が,患者アンケートの結果と推察された。また,薬剤の準備にかかる時間・手間を考えると誇張と思われた。ポイント
信頼性に欠けるデータや詳細の説明が不十分なデータを用いてプロモーションを行った。 - 非劣性試験の結果を用いて,優位性を主張した事例
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医薬品の種類
抗菌薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
医局での製品説明会で本剤の有効性について説明をする際に,除菌率についての非劣勢 試験の結果を用いて,本剤の優位性を強調するかのような説明を行った。ポイント
非劣性試験の結果を用いて優位性を主張した。 - 非劣性試験の結果を用いて,優位性を主張した事例
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医薬品の種類
子宮筋腫治療薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
企業担当者が,非劣勢試験での投与後開始初期の時点において本剤が既存薬と比較して効果が速やかに認められた結果を流用し,「既存薬と比較して効果が速やかに認められる」と口頭説明を行った。ポイント
非劣性試験の結果を用いて優位性を主張した。 - 宣伝には不適切な資料をもとにしたプロモーションや根拠のない説明を行った事例
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医薬品の種類
抗アレルギー薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明内容
薬剤部向け製品説明会において,企業担当者が「国土交通省の『航空機乗組員の使用する医薬品の取扱いに関する指針』ではパイロットに対して本剤の投薬が制限されておらず,眠くならないので安全である」という趣旨の説明を行った。当該指針がどのように作成されているのか尋ねたが,担当者は把握していなかった。 また,同じ企業担当者が「本剤を粉砕した際に,不快な味やにおいはない」と発言したため,その根拠を確認したところ,回答がなかった。ポイント
プロモーションに不適切な資料を根拠とした説明や,根拠のない主観的な説明を行った。 - 直接的なデータを示すことなく,他剤に対する優位性を説明した事例
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医薬品の種類
抗ウイルス薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者の口頭説明内容
企業担当者に対して本剤の優位性を尋ねたところ,「既存薬と比較してウイルス力価の減少が速く,ウイルス排出停止までの時間が短縮することから,他者へうつすリスクを減少させる可能性がある」との説明を受けた。 理論的には妥当とも考えられるが,「ウイルス力価の変化量」と「ウイルス排出停止までの時間」は副次評価項目であり,感染リスクを下げる直接的なデータもないため,優位性を誇張しているように受け止められた。ポイント
直接的なデータを示すことなく,他剤に対する優位性を説明した。 - 十分なエビデンスなく,製剤的特徴をメリットとして紹介した事例
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医薬品の種類
高リン血症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
企業担当者から提供された製品紹介パンフレットにおいて,本剤のメリットとして「義歯にはさまりにくい」等の記載があるものの,その根拠や比較対象が明示されていなかった。ポイント
十分なエビデンスを示すことなく,製剤的特徴をメリットとして説明した。 - エビデンスを示すことなく半量投与の効能効果を保証した事例
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医薬品の種類
消化薬問題のあった情報提供活動・資材
MR による口頭説明内容
K 社から,原料の供給が需要に追い付かないため,患者の状態に応じた半量投与など,投与量の適宜増減を依頼する紙面案内があった。また,本件について,K 社の担当MRは,モニター医療機関のDI 担当者に対して,根拠となるデータを示すことなく「半量投与でも効果は全く変わらない」と口頭で説明した。 インタビューフォームと審査報告書を確認したところ,1 日当たりの臨床推奨用量の全量群,半量群,プラセボ群の3 群比較試験では,臨床推奨用量の全量群と半量群のいずれもプラセボ群と比較して,**の吸収率を有意に上げていた。しかし,用量依存的に吸収率を上げることも示唆されており,臨床推奨用量の全量群と半量群で同等の効果が得られる根拠とはなりがたいと考えられた。MR の発言はデータに基づかない不誠実な情報提供である可能性が疑われた。ポイント
効能効果について根拠のない情報提供を行っている。 - 根拠なく優位性を主張したり,論文に未掲載のデータをもとにPRした事例
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医薬品の種類
局所麻酔薬問題のあった情報提供活動・資材
MR による口頭説明・パンフレット・商業誌の掲載記事内容
L 社の局所麻酔薬の製品パンフレットで,「L 社の局所麻酔薬(クリーム)」と「有効成分**の局所麻酔薬(クリーム)」について,皮膚における吸収過程を比較した模式図があった。MR はこの図をもとに「自社製品は『有効成分**の局所麻酔薬(テープ)』と同程度の効果を持つ」と説明した。 剤型が異なる他社製品と効果が同等と主張する根拠を質問したところ,「製造販売元から伝えられたことを伝えた。根拠となる資料はすぐにはわからないため探して連絡する」と返答があった。後日,MR からは「同等という根拠はなく,MR 同士の立ち話で小耳にはさんだものを勘違いして伝えてしまった」と回答された。 また,MR から「他社製剤から当社製剤へ切り替えた結果,穿刺痛が緩和した文献がでた」と論文と商業誌に掲載された企業共催セミナーの記事(記事体広告)を提供された。 商業誌の掲載記事では,論文に未掲載のグラフをもとに効能効果が主張されていた。ポイント
他剤との比較について根拠のない情報提供を行っている。また,論文に掲載のないデータを用いて効能効果を主張している。 - 根拠なく「関連論文ではほぼ自社製品が使われている」と発言した事例
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医薬品の種類
保湿剤問題のあった情報提供活動・資材
MR による口頭説明内容
手足症候群に関する***製剤の文献提供を依頼したところ,M 社MR から「手足症候群に関する***製剤の論文は,ほぼ当社の製品が使われていると考えて差し支えない」との発言のみがあった。ポイント
根拠のない情報提供を行っている。 - 根拠なく「日本人向けの製品」とPRした事例
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医薬品の種類
鎮痛剤問題のあった情報提供活動・資材
MR による口頭説明内容
N 社の鎮痛剤は,海外で一般的に使用されている医療用麻薬の徐放製剤であり,医療上必要性の高い未承認薬として開発・発売されている。そのような背景からか,担当MRは製品説明の際に「日本人向けの製品」,「日本人向けに開発した」と繰り返し発言した。 根拠の提示を求めたものの特にデータはなく,添付文書,インタビューフォーム,審査報告書を確認しても何の記載も見当たらなかった。ポイント
根拠のない情報提供を行っている。 - 溶出性の差を理由に,AGが他の後発医薬品より優位であるかのように説明した事例
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医薬品の種類
胃炎・胃潰瘍治療剤問題のあった情報提供活動・資材
MR による口頭説明内容
オーソライズド・ジェネリック(AG)の販売を開始したO 社のMR は,自社のAG と他社の後発医薬品との差異について,「胃炎・胃潰瘍治療剤は胃に直接作用するため,薬剤の溶出性等の動態が重要となる。効果を最大限に得るためには先発医薬品と製剤方法や添加物が全て同等であるAG が最適である」と説明した。この説明を受けた医療関係者は,後発医薬品の溶出性は承認段階では同等と認められていると認識していたため,「わずかな製剤上の差異が効果に影響するのか」と尋ねたところ,提示できるデータはないと回答された。 AG でない後発医薬品よりもAGの方が効能効果が優れているようなプロモーションであり,企業全体でこのような販促方法が取り入れられていることが危惧された。ポイント
根拠のない情報提供を行い,他社製品の誹謗と思われる発言を行っている。 - 明確なデータを示すことなく伝聞調で他社製品を誹謗し,優位性を主張した事例
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医薬品の種類
局所麻酔薬問題のあった情報提供活動・資材
MR による口頭説明内容
P 社のMR が自社の局所麻酔薬の特性について,「データとして明確に提示できるものはないが」と前置きした後,「当該製品は製剤特性として薬剤をなるべく均一に練りこんであり,薬剤が均一に放出されることから,他剤と比べて痛みが少ないと評判である。先発医薬品は薬剤の粒が大きいため,貼っても薬剤が到達しない部分が存在しており,そこに穿刺すると痛みが出てくることがあると聞いている」,「肌に優しい製剤になっており,肌のかぶれも他の製剤よりも少ないと言われている」という説明を行った。 当該薬剤は後発医薬品のため審査報告書は確認できなかったが,インタビューフォームで確認したところ,薬品密度の均一性やかぶれ対策等に関する製剤的工夫の記載はなく,P社のホームページでも根拠となるような資料は確認できなかった。また,先発医薬品についても,貼付剤として薬剤の放出等に関する記載も見つからなかった。 このような情報提供はMR の様子から日常的に行われているようであった。ポイント
根拠のない情報提供を行い,他社製品の誹謗と思われる発言を行っている。 - 1施設における他社製品との比較データをもとに安全性をPRし,他社製品を誹謗した事例
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医薬品の種類
造影剤問題のあった情報提供活動・資材
MR によるプレゼンテーション(スライド・口頭説明)内容
医局向けの製品説明会で,V 社MR は,国内1 施設における造影剤6 剤の副作用発現率をスライドに示した。このスライドには製品名と発現率しか記載がなく,n 数も検定結果も一切示されていなかったが,他社製品の副作用発現率が2.0%~3.7%程度なのに対しV 社の製品は1.8%と最も低いため,安全性が一番高いと説明した。 さらに,MR は,最も発現率が高かった他社の造影剤は副作用発現率が2 倍近いことを強調し,「この製品はもともと副作用が多いと言われているので当然の結果」と他剤を誹謗するような発言を行った。ポイント
1施設の他社製品との比較データをもとに安全性を主張したり,他社製品の誹謗と思われる発言を行っている。 - 添付文書の副作用発現率を比較することで,安全性をPRした事例
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医薬品の種類
抗リウマチ薬問題のあった情報提供活動・資材
MR による申請資料内容
W 社MR がプロモーション許可申請のために提出した資料の中で,「類薬の特徴的な副作用である脂質異常の発現が少なく,脂質異常を合併する患者が治療対象となり得る」と記載があった。事前に情報収集していた限りでは,安全性について他剤よりも優越性を示す試験結果はなかったのでMR にその根拠を尋ねたところ,「提示できる参考資料等はなく,単純にそれぞれの医薬品の添付文書に記載されている副作用発現頻度を比較した」と回答があった。明らかに不適切な比較方法であった。ポイント
不適切なデータの比較によって,安全性を誇大に見せている。 - 症例数の少ないデータを用いて効果を主張した事例
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医薬品の種類
糖尿病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
パンフレット(2016 年12 月作成)内容
地域の医療関係者を対象とした勉強会で,L 社が当該医薬品の「1 日の血糖変動を平坦化 する」効果を主張するパンフレットを配布していた。パンフレットには,当該医薬品と他 の医薬品について,血糖日内変動の推移と投与前後における血糖日内変動指標の変化を比 較するグラフが掲載されていたが,症例数はわずか9 例(当該医薬品4 例,他の医薬品5 例)であり統計解析も行われていなかった。ポイント
症例数が少ないデータをもとにプロモーションを行っている。
(3)誇大な表現に関する事例
- 原著論文の翻訳表現が不正確であった事例
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医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
本剤の製品紹介パンフレットにおいて,他剤とのVEGFR 阻害作用を比較するグラフが示されていたが,原著論文では「Less potent」「More potent」と記載されている縦軸が,それぞれ「軽微な阻害作用」「著明な阻害作用」と翻訳されており,他剤と比較して本剤のみが「著明な阻害作用」を有するという印象を与える構図になっていた。ポイント
原著論文からの翻訳表現が不正確である。 - 雑誌掲載広告において,根拠の不明瞭なキャッチフレーズを用いた事例
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医薬品の種類
抗アレルギー薬問題のあった情報提供活動・資材
雑誌掲載広告内容
本剤の雑誌掲載広告において,「STRONG」という用語がキャッチフレーズとして用いられていた。本剤の適応症の治験はシングルアームもしくはプラセボ対照のみであり,他剤よりも有効性が高いとするエビデンスはないが,「STRONG」という用語を使用することで,他剤と比較して有効性が高いと誤認する可能性があった。ポイント
他剤よりも有効性が高いというエビデンスなしに,「STRONG」という表現を用いた。 - 製品名の由来をプロモーションに用いた事例
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医薬品の種類
抗菌薬問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による口頭説明,ヒアリング用資料内容
薬剤部ヒアリングで企業担当者が,製品名の由来(「卓越した」という意味を持つ単語が含まれる)を示し「卓越した効果をもつ薬剤」と強調して説明した。臨床試験では,対照薬に対する非劣性が検証されたに過ぎず,製品名を利用して「卓越した」と強調してプロモーションを行うことは誇張と思われる。ポイント
根拠が十分でない製品名の由来をプロモーションに用いた。 - 飛躍した論理展開をもとにデータを紹介し,安全性を誇張した事例
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医薬品の種類
鎮痛薬問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
「腎機能への影響」にフォーカスした製品紹介パンフレットにおいて,NSAIDs の使用と血圧上昇の関係を示唆するデータ,及び本剤使用患者では血圧に変化がなかったとのデータを示した後,高血圧は慢性腎臓病のリスク因子となるという一般論を紹介していた。 一連の説明により,本剤は腎機能への悪影響が少ないという印象を受けるが,NSAIDsによる腎障害は主に糸球体濾過量の低下による虚血性の急性腎障害であり,血圧への影響のみから腎障害リスク軽減を訴えるには,論理が飛躍している。本剤は重篤な腎障害のある患者を禁忌としており,安全性を誇大に表現していると考えられた。ポイント
飛躍した論理展開をもとに安全性を誇張した。 - 1施設の診療方針をガイドラインであるかのように誇張して見せた事例
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医薬品の種類
抗血栓薬問題のあった情報提供活動・資材
製品紹介パンフレット内容
製品紹介パンフレットにおいて,本剤と類薬を併記する形で「DIC 診療のアルゴリズム」が示されていたが,原著論文では類薬について記載されているのみで,本剤については触れられていなかった。また,原著論文は1 施設における診療方針を示したものであり,類薬に関する1 施設の診療アルゴリズムを,本剤の診療ガイドラインのように見せることは不適切である。これらの記載の出所は,原著論文の一部改編となっており,出所の示し方も正確性に欠けるように思われた。ポイント
1 施設の診療方針をガイドラインであるかのように誇張して見せた。 - 「優れた」という表現を根拠なく用いて効果を誇張した事例
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医薬品の種類
緑内障・高眼圧症治療薬問題のあった情報提供活動・資材
宣伝用チラシ内容
本剤の宣伝用チラシにおいて,「優れた眼圧下降効果」というキャッチフレーズが用いられていたが,本剤は後発医薬品であり,有効性を誇張した表現と思われた。なお,チラシには,「優れた」という表現の根拠となるエビデンスの記載はなかった。ポイント
根拠なく「優れた」という表現を用いて効果を誇張した。 - 医師個人の見解をもとに,シングルアーム試験の結果を「良好」と紹介した事例
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医薬品の種類
血友病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
プレゼンテーション用スライド内容
製品紹介のプレゼンテーションにおいて,本剤の臨床試験の結果が「良好だった」との見出しで紹介を受けた。対照群の設定されていないシングルアーム試験であったため,「良好」という判断の基準を尋ねたところ,明確な基準はなく,「専門医の見解による」との返答を受けた。なお,プレゼンテーション用スライドは配布されなかった。ポイント
医師個人の見解をもとに,「良好」という表現でシングルアーム試験の結果を紹介した。 - 有意差が見られないデータについて,タイトルで効能効果をPRした事例
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医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
MR によるプレゼンテーション(スライド・パンフレット)内容
抗がん剤の製品説明において,Q 社のMR は,パンフレット及びプレゼンテーション用のスライドを用いてサブグループ解析の結果を紹介した。前治療の有無別に全生存期間および無増悪生存期間を示したグラフに「前治療の有無にかかわらず,全生存期間および無増悪生存期間を延長する傾向が示された」とタイトルが書かれていたが,複数の医師・薬剤師が見ても,タイトルの内容を示唆するには厳しいと思われるデータであった。製薬企業側もそのことを理解したうえで,あえて“傾向”という言葉を用いていると考えられた。また,グラフには観察期間もp 値も示されておらず信頼性に欠けていた。 グラフの詳細を確認せず,タイトルだけを見ると効能効果について誤認しかねない情報提供であった。ポイント
データの示す効能効果をタイトルによって誇大に見せている。 - 有害事象について,過小評価しかねない見出しを用いた事例
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医薬品の種類
利尿薬問題のあった情報提供活動・資材
製品情報概要内容
R 社利尿薬の製品情報概要で,使用成績調査の有害事象が「80 歳未満と80 歳以上で全有害事象および重篤な有害事象は変わらなかった」という見出しとともに紹介されていた。 この見出しの下の方には,年齢と用量別の高ナトリウム血症発生率を比較する表が掲載されており,開始用量が高用量の群では,発生率が80 歳未満と80 歳以上で約5%の差があるため「高齢者では高ナトリウム血症の発現リスクを考慮して,**mg から開始することをご考慮ください」と注意書きがなされていた。 引用文献においても,初期用量が**mg を超える場合,80 歳以上の高齢者群では有意に高ナトリウム血症の発現率が高かったという記載が見られ,高齢者の高用量処方については注意が必要であることがわかった。 同じページ内で注意喚起しているものの,見出しだけを読んだ場合は,安全性について誤認する恐れがあった。ポイント
副作用の発症率について過小評価しかねない内容をタイトルにしている。 - 製品説明会の対象でない薬剤について,安全性を誇張して推奨した事例
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医薬品の種類
抗てんかん薬,直接経口抗凝固薬問題のあった情報提供活動・資材
MR によるプレゼンテーション(口頭説明・スライド)内容
製造販売元S 社,販売元T 社の抗てんかん薬について,両社のMR が説明会を開催した。S 社MR は,抗てんかん薬と直接経口抗凝固薬(DOAC)の相互作用の比較表を見せながら,「DOAC の中ではT 社製品が全般的に相互作用が少なく安全」という説明を行った。 そもそも,今回説明を受けた抗てんかん薬は全てのDOAC と相互作用が認められておらず,相互作用がないのはT 社製品に限ったことではない。また,T 社のDOAC は抗てんかん薬以外には相互作用を生じる薬剤もあるため全般的に安全とは言いきれない。抗てんかん薬の説明会において,十分な情報提供を行わずに,特定のDOAC の優位性を誇張して推奨することは事実誤認を招く恐れがあると考えられた。 その他のモニター医療機関からも同様の説明を受けたとの報告があり,広範囲での活動が疑われた。ポイント
安全性について誇張した表現を用いて,プロモーションを行っている。 - 算出方法を明記せずに処方実績を誇大にPRした事例
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医薬品の種類
糖尿病治療薬問題のあった情報提供活動・資材
パンフレット(2017 年9 月作成)内容
U 社パンフレットで,自社の糖尿病薬の実績として「これまで全世界で延べ1 億人以上の処方実績がある薬剤」と記載されていたが,処方回数や処方錠数といった具体的な算出に関する記載がなく,世界の糖尿病人口が4 億人と言われている中で,処方実績を過度に強調している印象を受けた。 なお,このデータには日本では上市されていない配合剤のデータも含まれていた。ポイント
データの算出根拠を示さないことで,使用状況を誇大に見せている。
(4)他社製品の誹謗に関する事例
- 本剤のバイオシミラーにとって不利益となる情報提供を積極的に行った事例
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医薬品の種類
抗がん剤問題のあった情報提供活動・資材
企業担当者による情報提供内容
企業担当者より,問い合わせも行っていないにもかかわらず,「本剤のバイオシミラーが海外で承認されなかった」との情報提供を受けた。なお,その詳細に関する情報は「入手していない」とのことであった。同様の事例は複数のモニター医療機関から報告されており,他にも以下のような情報提供があった。 バイオシミラーが外挿によって適応取得しており,臨床試験が少ないことを強調するような説明。 バイオシミラーが先行バイオ医薬品と「同等/同質」ではあるが,「同一」ではないことを強調するような説明。 「既に先行バイオ医薬品を使用している患者については,バイオシミラーに切り替えることはできない」との説明(切り替え自体は禁止されていない)。 本剤とは無関係である別の製品のバイオシミラーに対する,「効果は疑問である」「精製が悪い」といった発言。ポイント
本剤のバイオシミラー(及びバイオシミラー一般)にとって不利益となる情報提供を積極的かつ広範に行った。
Cases concerning false or misleading promotion
Sources and current guidance checked: 11 October 2026
This is an English overview of selected historical examples. The Japanese page contains the detailed case descriptions.
Japanese detailed coverage: 61 groups from the FY2019–FY2025 reported-case index are now explained in Japanese on this topic page, alongside 64 earlier entries (125 total). The English version continues to provide selected summaries. All 132 groups across the five topics link to detailed Japanese commentary through the annual index.
Complete annual reported-case index (FY2019–FY2025; 132 groups): the index links every group to its corresponding detailed Japanese commentary.
Browse by report year: FY2025(1) / FY2024(1) / FY2023(1) / FY2021(1) / FY2020(1) / FY2016–FY2018
How to read these cases
This page combines earlier FY2016–FY2018 examples with 5 selected additions from FY2020, FY2021, FY2023, FY2024, FY2025 reports published by MHLW. They concern reported questions about promotional practice and are not presented as court findings. Product information, doses and restrictions in the historical descriptions reflect the circumstances at the time; check current approved information before using them. See PMDA prescription-drug information search (Japanese) for current product documents.
Added examples from later reports (5)
Years identify the reports, not necessarily when the events occurred. These are selected summaries. Review points are the author's observations, separate from report findings. Source links specify the corresponding PDF page.
FY2025 report
- Unsupported vaccine claim
Report summary: Wholesaler staff claimed lifelong vaccine immunity without supporting long-term follow-up evidence.
Author's review point: Review messaging across distribution channels and correction procedures for unsupported claims.
Source: FY2025 report (Japanese), printed p. 31; case ①-1(②-2と同一事例); PDF page 35
FY2024 report
- Overstated endpoint
Report summary: A secondary endpoint was used to claim the only drug demonstrating improved survival.
Author's review point: Check endpoint status, evidence limits and conclusions used in promotional messaging.
Source: FY2024 report (Japanese), printed p. 31; case ①-1; PDF page 35
FY2023 report
- Survey findings from another disease
Report summary: Selected overseas asthma survey findings were applied to promote a lipid lowering drug.
Author's review point: Check population relevance and completeness before reusing survey figures.
Source: FY2023 report (Japanese), printed p. 30; case ①-1(②-1・⑤-1と同一事例); PDF page 34
FY2021 report
- Unsupported direct comparison
Report summary: Dermatitis-drug materials reportedly added between-drug estimates absent from the original paper, suggesting superiority despite no direct comparison between those drugs.
Author's review point: Check comparison designs and re-review any added statistics for misleading implications.
Source: FY2021 report (Japanese), printed p. 31; case ②-1; PDF page 35
FY2020 report
- Missing concomitant therapy
Report summary: A rheumatoid-arthritis trial diagram reportedly omitted concomitant medication, potentially making a combination-treatment study appear to assess switching to monotherapy.
Author's review point: Compare trial diagrams with review documents, including concomitant therapies and transitions.
Source: FY2020 report (Japanese), printed p. 29; case ②-1; PDF page 33
Earlier selected examples (FY2016–FY2018)
- Selective comparison
A presentation claimed better response in Japanese patients without explaining major differences in prior treatment between the groups.
- Omitted safety findings
An explanation relied on favourable overseas findings while omitting less favourable domestic findings.
- Incomplete graphs
A graph showed only selected arms of a three-arm study, obscuring information relevant to interpretation.
Points for current review and training
- Check endpoints, comparison groups, analysis populations and unfavourable findings against the original evidence.
- Check graph scales and legends. A finding of non-inferiority does not establish superiority.
- Check the evidence supporting both efficacy and safety claims.
See the MHLW guideline of 25 September 2018 (Japanese) and the official guideline and Q&A index (Japanese) for the complete requirements.
Earlier sources and the latest survey
- Historical monitoring report: FY2016 / March 2017 (Japanese)
- Historical monitoring report: FY2017 / March 2018 (Japanese)
- Historical monitoring report: FY2018 / March 2019 (Japanese)
- Latest published survey: FY2025, March 2026 (Japanese)
- MHLW advertising regulation and annual reports (Japanese)
Survey overview and latest results / Guide to promotional-information requirements